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『吸血鬼に襲われたら、恵方巻をぶち込め!!!』~恵方巻きの逆襲~

※食べ物は大切にしましょう。

 

「この大量の恵方巻き、どうしろっていうんだ...」


 東京の片隅のコンビニで、私は途方に暮れていた。レジカウンターの向こうには山積みになった売れ残りの恵方巻き。もう深夜を回っている。


「フフフ、欲の為にブームを作ろうとした罰ですよ」


 背後から聞こえた声に振り返ると、そこには紛れもない吸血鬼が立っていた。真っ白な肌に、長い黒髪。まるでコスプレイヤーのような出で立ちだが、その赤い瞳には確かな殺意が宿っている。


「おや、夜食にちょうどいい獲物が見つかりましたね」


 吸血鬼は艶のある声で言った。


「でも、いきなり食べるのも芸がない。ゲームをしましょう」


「ゲーム?」


「そう、鬼ごっこです。あなたが朝日が昇るまで逃げ切れれば勝ち。捕まえれば、私の勝ち」


 吸血鬼は優雅に指を鳴らした。


「さあ、10秒あげます」


 私の脳裏を様々な思考が駆け巡る。吸血鬼の弱点―にんにく、十字架、日光...しかし、今手元にあるのは恵方巻きだけだ。


「10、9、8...」


 カウントダウンが始まった。その時、私の目に入ったのは恵方巻きの断面。巻き寿司の芯、それは...穴!


「7、6、5...」


 そうだ、吸血鬼には"穴"という弱点がある。数えきれないほどの穴。口、鼻、耳...


「4、3...」


「待った!」


 私は叫ぶと、手近の恵方巻きを掴んだ。


「2...」


「これでもくらえ!」


 私は恵方巻きを投げつけた。吸血鬼の目、鼻、耳、あらゆる穴に向けて、次々と恵方巻きを打ち込んでいく。


「ぐぶっ!むぐっ!」


 吸血鬼は悲鳴を上げた。口の中に詰め込まれた恵方巻きが言葉を遮る。


「なんてことを...これは想定外...うぐっ!」


 最後の一本を決めると、吸血鬼はその場にへたり込んだ。


「く...これが日本の文化の力...恐るべし...」


 吸血鬼は恵方巻きまみれになりながら、徐々に透明になっていった。そして、朝日が差し込むころには、そこには恵方巻きの残骸だけが残されていた。


 翌日、私のコンビニには「恵方巻き、吸血鬼撃退に効果アリ!」という貼り紙が掲示された。その日以来、恵方巻きの売れ行きは驚くほど好調になったという。


 めでたし、めでたし。


 ...ただし、これは節分の時期限定の話である。

プロンプト

「『吸血鬼に襲われたら、恵方巻をぶち込め!!!』。場所は東京。「この大量の恵方巻き、どうしろっていうんだ」。売れ残りの恵方巻きを見ながら途方に暮れる私。「フフフ、よくわからないものをブームにしようとした罰ですよ」。振り返ると吸血鬼がいた。夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あそこしかない。そう恵方巻きだ。私はすかさず恵方巻きを吸血鬼の穴という穴に打ち込む。このプロットを元にシリアスお下劣コメディ短編小説を書きましょう。」

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