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『チーヴァン』~チーズヴァンパイア~

 

 深夜の東京、残業帰りの俺は牛丼屋で晩飯を調達していた。


「チーズ牛丼特盛で」


 店員が無言で注文を受け付ける。周りからクスクスと笑い声が漏れる。また始まった。「チー牛」というレッテル。でも、俺はチーズが好きなんだ。それがどうした。


「お待たせしました」


 受け取ったチーズ牛丼の香りに心が躍る。店を出て路地に入ろうとした瞬間、後ろから冷たい声が響いた。


「チーズ牛丼がお好きとは、では『チーヴァン』はいかがですか?」


 振り返ると、そこには異様な姿の男が立っていた。真っ白なスーツに身を包んだ長身の男。しかし、その服は至る所にチーズが溶け付いている。モッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、カマンベール...様々なチーズが彼の体から滴り落ちていた。


「チーヴァン...?」


「そう、チーズヴァンパイアの略です」


 彼は艶めかしく微笑んだ。


「私たちチーヴァンは血の代わりにチーズを吸収して生きている。そして、チーズを愛する者たちを仲間に引き入れるのが使命なのさ」


「冗談じゃない!」


 俺は叫んだ。


「確かにチーズは好きだ。でも、チーズ漬けの吸血鬼になんてなりたくない!」


「残念だな」


 チーヴァンは首を傾げた。


「君のような純粋なチーズ愛好家は貴重なんだが」


 その時、俺の手の中のチーズ牛丼が輝き始めた。溶けたチーズが光の壁となって、チーヴァンを押し返す。


「なっ...これは!」


「君の中の真摯なチーズ愛...これほどの純度は見たことがない!」


 チーヴァンは顔を覆った。


「私の負けだ。チーズを愛する心に、邪な力は通用しない」


 チーヴァンは夜の闇に溶けるように消えていった。


 翌日から、俺は胸を張ってチーズ牛丼を注文している。もう誰の視線も気にならない。なぜなら、俺は純粋なチーズ愛好家。それはチーヴァンですら認めた誇りなのだから。


 たまに夜道で、チーズの香りが漂ってくることがある。そんな時は、テイクアウトの温かいチーズ牛丼を、お供として持ち歩くことにしている。

プロンプト

「『チーヴァン』~チーズヴァンパイア~。場所は東京、帰宅途中の私は牛丼屋でチーズ牛丼を買って帰る。買って店を出ようとすると、「チー牛www」という陰口をたたかれる。しかし、私はチーズが大好きなのだ。しょうがない。「チーズ牛丼が好きで何が悪いんだ!」。そのとき、後ろから気配を感じる。「チーズ牛丼が好きと、では『チーヴァン』はどうですか?」。夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は全身チーズまみれのヴァンパイア。そうチーヴァンだったのだ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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