『吸血鬼に襲われたら、ネットオークションを漁れ!!!』~聖水と聖杯と吸血鬼~
「捕まえたら、おまえの血を吸わせてもらうよ」
真夜中の東京で、突如として吸血鬼と対面することになるとは。しかも、鬼ごっこを提案されるとは。こんな状況、漫画や小説でしか見たことがない。
「じゃあ、捕まらなければいいんですよね?」
私は冷静を装いながら答えた。体は小刻みに震えている。
吸血鬼は優雅に微笑んだ。
「そうだ。朝日が昇るまでの間だ」
時計を確認する。午前1時。日の出まであと5時間ほど。逃げ切れる自信はない。吸血鬼の能力は人間をはるかに超えている。
そうだ、吸血鬼の弱点は・・・
日光、ニンニク、十字架、そして聖水。今この状況で使えるのは聖水しかない。でも、どこで手に入れれば?教会?でも深夜だし・・・
待てよ。聖水を作るには聖杯が必要なはずだ。
「ちょっと待ってください!聖杯を探してきます!」
吸血鬼は首を傾げた。
「はぁ?」
スマートフォンを取り出し、急いでメル○リを開く。検索欄に「聖杯」と入力。
するとなんと、「アンティーク 聖杯 即日発送可 出展者マーリン」という商品が。しかも現在地から2キロ圏内。
「今から取りに行きますので、30分だけ待っていただけませんか?」
「おまえ、なにを言って・・・」
吸血鬼が呆れた表情を浮かべる中、私は必死でメッセージを送信した。
「緊急で必要なので、今から取りに伺えませんか?割増料金お支払いします」
「了解です。24時間営業のコンビニの駐車場で待ち合わせしましょう」
吸血鬼に向かって叫ぶ。
「30分後に戻ってきます!約束します!」
「待て、これは鬼ごっこのルール違反では・・・」
その声を背に、私は走り出した。
結局その夜、私は中古の聖杯を手に入れ、コンビニで買った水を注いで即席の聖水を作り、呆れ顔の吸血鬼に振りかけることに成功した。
吸血鬼は軽い火傷を負いながら、「メル○リで聖杯を買うとは・・・現代人恐るべし」とつぶやき、夜の闇に消えていった。
翌日、私は出品者に星5の評価をつけた。
「素晴らしい聖杯でした。吸血鬼対策に大変役立ちました」
プロンプト
「『聖水と聖杯と吸血鬼』。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あれしかない。そう聖水だ。しかし、聖水ってどうすれば、そうだ聖杯だ。「ちょっと、聖杯探しに行く」。結局、メルカリで調べるとあった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」