表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
338/601

『吸血鬼に襲われたら、鏡の迷宮へ逃げ込め!!!』~鏡に映る系吸血鬼の対処法~

 

「捕まえてごらん?」


 夜の渋谷で、吸血鬼は不敵な笑みを浮かべながら私に囁いた。長身で整った顔立ち、まるでファッション誌から抜け出してきたような美しさ。だが、その赤い瞳には人間味のかけらもない。


「逃げたって無駄よ。日の出まであと五時間。その前に必ず捕まえるわ」


 私は咄嗟に109の方向へ走り出した。吸血鬼は悠々と歩きながら追いかけてくる。まるで猫が死にかけのネズミで遊ぶように、私との距離を楽しんでいるようだ。


 ふと、道端のショーウィンドウに目が留まる。そこに映る私の姿と...吸血鬼の姿?


「あれ?映ってる...」


「ええ、私、鏡に映る系の吸血鬼なので♪」


 彼女は茶目っ気たっぷりに手を振った。そうか、この吸血鬼は鏡に映るのか。普通の吸血鬼なら鏡に映らないはずなのに。でも、それなら...。


 私の頭に一つのアイデアが閃いた。


「捕まえられるものなら捕まえてみて!」


 私は宣戦布告するように叫び、渋谷ストリームの地下へと駆け込んだ。目指すは地下の巨大アート施設、「鏡の迷宮」だ。


 会場に飛び込むと、そこは無数の鏡に囲まれた空間。天井から床まで、壁という壁が全て鏡になっている。私の姿は無限に増殖し、どれが本物かわからなくなる。


 吸血鬼も追いかけてきた。彼女の姿も同じように無数に映り込む。


「まあ、面白いわね」


 彼女は笑った。だが、その笑顔には焦りが見えた。鏡に映る吸血鬼にとって、この空間は最大の弱点になる。自分の姿が見えすぎて、かえって獲物を見失ってしまうのだ。


「どこにいるの?こっち?それともあっち?」


 彼女は次々と鏡に映る私の姿を追いかけるが、全て虚像だ。本物の私はゆっくりと出口へ向かう。


「くっ...こんなの卑怯よ!」


「卑怯なのはどっち?遊び半分で人間を追い詰めるあなたじゃない?」


 私は出口に到着。振り返ると、吸血鬼は迷宮の中で右往左往していた。自分の無数の姿に囲まれ、どちらが出口か分からなくなっているようだ。


「また遊びましょう。今度は場所は私が選ばせてもらうけど」


 そう言い残して、私は鏡の迷宮を後にした。外では既に空が白み始めていた。


 後日、渋谷のアート施設で「鏡に閉じ込められた吸血鬼」という都市伝説が流行ったという。真相を知るのは、この私だけ。ときどき鏡の迷宮を訪れると、どこかで誰かが悔しそうに唸っている気がする。でも、それはきっと私の気のせい。


 ...たぶん。

プロンプト

「『吸血鬼に襲われたら、鏡の迷宮へ逃げ込め!!!』~鏡に映る系吸血鬼の対処法~。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。「あれ?」。私はあることに気が付く。「鏡に映ってる…」。「私、鏡に映る系の吸血鬼のなので(笑)」。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、わかった。あそこしかない。そう鏡の迷宮だ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ