『脱税政治家が吸血鬼に襲われたら、ブタ箱に逃げ込め!!!』
「ハハハハハ、秘書くん。国民はちょろいなああ。また、中国行って接待してもらおうかなあw」
深夜の永田町で、私は高笑いを上げていた。またしても血税をうまいこと着服できたことに、心が躍る。バカな国民は気づきもしない。
「政治家様、おもしろい遊びをしませんか?」
突如、背後から聞こえた声に振り返ると、そこには真っ白な肌をした男が立っていた。月明かりに照らされた尖った牙が、不吉な光を放っている。
「な、何者だ!」
「私は吸血鬼。腐敗した魂を狩る者です」
男は優雅な仕草で深々とお辞儀をした。
「あなたの汚れた血を頂く前に、少し遊びましょう」
「ば、馬鹿な!吸血鬼なんて!」
「貴方の様な人間こそ、私の大好物なのです」
吸血鬼は艶めかしく舌なめずりをした。
「さあ、鬼ごっこです。朝日が昇るまでに捕まえられなければ、貴方の勝ち。捕まえたら...」
言葉の続きを待つまでもない。私は秘書くんを置き去りにして、全力で走り出していた。
(秘書は政治家の身代わりになるものだよ…)
頭の中で次々と吸血鬼の弱点が浮かぶ。十字架?持ってない。ニンニク?高級料亭でディナーを食べたばかりだ、そんなものない。聖水?そんなもの持ち歩いていない。
「どこに逃げても無駄ですよ〜秘書くんは関係ないので、無視しておきました」
背後から余裕の声が聞こえる。
あと数時間。夜明けまでもたなければ。
そのとき、私は気づいた。ある場所なら、吸血鬼は入れない。招かれざる者は入ることができない場所。そう、刑務所だ。
「おい!警官!」
私は交番に駆け込んだ。
「私は脱税をしていました!逮捕してください!」
警官は目を丸くした。
「え?」
「早く!証拠は全部そろっています!この裏帳簿と隠し口座を見てください!」
交番の外で、吸血鬼がニヤリと笑っているのが見えた。
「ふん、見事です。確かにそこには入れない」
吸血鬼は優雅に帽子を取った。
「だが、いずれ出所する日が来る。その時まで...お楽しみに」
手錠をかけられながら、私は安堵のため息をついた。ブタ箱暮らしも悪くない。少なくとも命があるだけマシだ。
...しかし、刑期を終えた後のことを考えると、背筋が凍る思いだった。
プロンプト
「『脱税政治家が吸血鬼に襲われたら、ブタ箱に逃げ込め!!!』。「ハハハハハ、秘書くん。国民はちょろいなああw」。高笑いする汚職政治家の私。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あそこしかない。そうブタ箱だ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」