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『推し活をしたければ血の欲望に勝て!』

 

 井ノ川たかし博士は、研究室の大きな鏡に映る自分の姿を見つめていた。かつては「工学部一のプレイボーイ」と呼ばれた面影は、しわくちゃの顔に埋もれていた。


「く、老いは醜い…」


 そう呟きながら、彼はパソコンの画面を開いた。怪しげなネットオークションサイトには、「伝説の不老薬・即決OK・送料込み」という商品が。


「ふふふ…」井ノ川博士は薄ら笑いを浮かべた。


「これでマブイねーちゃんとチョメチョメできる…!」


 翌日、茶色い瓶が届いた。説明書きもなく、ただ「VP-2025」というラベルだけ。科学者としての理性が「危険だ」と警告していたが、その声は欲望に掻き消された。


南無三宝(なむさんぼう)!」


 一気飲みした瞬間、体の奥底から激しい痛みが走った。


「うおおおおお!」


 研究室中に叫び声が響き渡る。全身が発光し、まるでアニメの変身シーンのよう。


 痛みが収まると、鏡に映るのは30歳の井ノ川たかしだった。


「やったー!若返った!これで推しメンのライブにも堂々と行ける!」


 しかし喜びもつかの間、突如として激しい空腹感に襲われた。冷蔵庫の生ハムをパクパク食べても満たされない。そのとき、スマホが鳴った。


 推しメンからのLINE。


「今月のファンクラブランキング、私トップになれないかも…握手会チケット…もっと会いたいな…」


「任せろ!」井ノ川は叫んだ。


「この若さと富、そして…血への渇望を活かして、君をトップアイドルにしてみせる!」


 その日から、井ノ川たかしの壮大な"推し活"が始まった。CD千枚購入?朝飯前!ライブ最前列?当たり前!グッズ争奪戦?若返った体で他のオタクを粉砕!


 ただし、たまに血への渇望で他のファンに噛みつきそうになるのが難点だった。


「これじゃあ吸血鬼じゃないか…」と悩む井ノ川だったが、推しメンの「たかしさん、私のファンでよかった♪」の一言で、すべての苦労が報われた。


 結局、推しメンは見事ファンクラブランキングのトップに。ファンミーティングパーティーで、井ノ川は密かにトマトジュースを啜りながら、つぶやいた。


「不老不死も悪くないな…ふふふ」

プロンプト

「場所は東京。私は井ノ川たかし。大金持ちの天才科学者。昔はイケイケだったが、今や初老のおじいさん。「く、老いは醜い」。しかし、私はある不老の薬をネットオークションで落札した。「フフフ、これでマブイねーちゃんとチョメチョメできる」。私は薬をラッパ飲みする。すると、身体の奥底から力が湧き出る。変態が終わると、若々しい容姿になっていた。しかし、途轍もない血への欲求。そのときだった。推しメンからの連絡。「今月、トップになれないかもシャンパン開けて」。私は空前絶後の肉体を手に入れた。不可能はない。このプロットを元にナンセンスコメディ短編小説を書きましょう。」

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