『ゴールデン・ヴァンパイア・オア・シルバー・ヴァンパイア』~予期せぬ展開?~
昭和30年代の東京。深夜の街を歩いていた私は、思いもよらぬ出会いをした。
「おや、こんな時間に散歩ですか?」
振り返ると、月明かりに照らされた青白い顔の男が立っていた。その赤い瞳に魅入られそうになった私は、はっとして我に返った。
「あ、あなたは...」
「そう、吸血鬼です」彼はにこやかに答えた。
「さて、鬼ごっこをしましょう」
私は逃げ出した。頭の中で必死に考える。吸血鬼の弱点は何だったか。にんにく?十字架?流れる水?そうだ、水!
近くの公園に駆け込んだ私は、小さな湖を見つけた。ここなら大丈夫なはずだ。
しかし、この夜は無風だった。湖面は鏡のように静かだ。
追いついた吸血鬼は、私の考えを見抜いたかのように笑った。
「流れる水でなければ平気ですよ」
そう言うと、彼は猛然と湖に飛び込んだ。だが、予想外のことが起きた。吸血鬼は沈んでいったのだ。
「たす、助けて...」
彼の悲鳴が水の中へ消えていく。私はどうしていいかわからず、呆然と立ち尽くしていた。
突然、湖面から美しい女性が現れた。
「あなたが落としたのは、金の吸血鬼ですか?それとも銀の吸血鬼ですか?」
湖の妖精だった。私は困惑しながらも、正直に答えた。
「えっと、金でも銀でもない、ただの吸血鬼です」
妖精は微笑んだ。
「あなたの正直さに感謝します。この金の吸血鬼と銀の吸血鬼を差し上げましょう」
そう言って、妖精は金と銀に輝く二体の吸血鬼を私に渡した。しかし、銀の吸血鬼はすぐに灰になってしまった。
困った私は、金の吸血鬼を持って帰ろうとした。すると、黒服の男たちが現れ、金の吸血鬼を奪い取っていった。
「国家機密です。何も見なかったことにしてください」
私は茫然自失のまま家路についた。翌朝、目覚めると全てが夢のようだった。ただ、枕元には小さな金の欠片が残されていた。
これが、私と吸血鬼の奇妙な鬼ごっこの顛末である。今でも、満月の夜には湖に行ってみるのだが、あの妖精に再会することはない。ただ、時々水面に赤い目が光るのを見る気がする。それが本当の吸血鬼なのか、それとも私の想像なのか、誰にもわからない。
プロンプト
「場所は昭和の東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。流れる水。そうだ。公園の湖なら大丈夫なはず。しかし今日は無風。吸血鬼は猛然と湖に入るが沈む。「あなたが落としたのは金の吸血鬼ですか?それとも銀の吸血鬼ですか?」。湖の妖精が現れる。正直に答えてどっちも貰うが、銀の吸血鬼は自滅して、金の吸血鬼も怪しい人たちに連れて行かれました。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」