『追いかけるケツアナヴァンパイア』
煌びやかな異世界「ゲイノウカイ」。かつては華やかな宮廷が並び立ち、騎士たちが誇り高く歩いていた世界だった。だが今や、その輝きは急速に色あせつつあった。
「はぁ...はぁ...」
地下迷宮の薄暗い通路を、私ことゲンダは必死に走っていた。背後からは金属の棒を振り回す足音が迫ってくる。
「おやおやゲンダくん、そう慌てて逃げることはないじゃないか」
追っているのは同じヴァンパイアの先輩、サカモト。彼の声には不気味な愉悦が混ざっていた。
「私はただのアンパイアとして、君の行いを裁くだけさ。ケツアナの刑なんて、ちょっとした懲らしめに過ぎないよ」
「冗談じゃない!誰がそんな刑を受けるものか!」
この世界は狂っていた。まず最初に王様の一人キタガワが謎の死を遂げ、その直後にナベツーネまでもが命を落とした。そして騎士のマツモトとナカイが何の理由も告げられずに追放。
私の背中に冷や汗が流れる。このままではマツモトたちと同じ運命を辿るのか?いや、もっと悪い結末が...。
「見~つけた♪」
曲がり角から不意に現れたサカモトに、私は思わず悲鳴を上げた。
「ひっ!」
「さぁ、おとなしく刑を受けなさい。この鉄の棒で...」
その時だった。天井から突如、キラキラしたスパンコールの雨が降り注いだ。
「なっ!」
まぶしい光に目を細めるサカモト。その隙を突いて、私は壁に隠された扉から脱出した。そこには...なんと!追放されたはずのマツモトとナカイが待機していた。
「よく来たな、ゲンダ。さぁ、我々と共に新天地へ向かおう」
マツモトが差し出した手を取り、私たちは暗闇の中へと消えていった。
後日、ゲイノウカイは大きく様変わりした、という噂を耳にした。サカモトは謎の光の事件以降、すっかり丸くなったそうだ。時々、ケツアナの刑という言葉を聞くと震え上がるようになったとか。
私たち亡命者は、新たな世界「ユーチューバールド」で平和に暮らしている。ここでは誰もケツアナの刑なんて言い出さない。ただ...時々マツモトが「あのスパンコールはオレが仕掛けた」と自慢げに語るのには、少々うんざりしている。
プロンプト
「場所は異世界。私は転生したゲンダ。この世界の名前は「ゲイノウカイ」。煌びやかな世界だ。つい最近、王様の一人、キタガワが亡くなり、昨日ナベツーネが亡くなった。騎士のマツモト、ナカイが次々に追放されてこの世界は歪に変わってきた。「おやおや、そこにいるのは不肖のヴァンパイア、ゲンダ。私がアンパイアとして君を処分しよう」。そこにいたのは同じヴァンパイア、サカモト。「ケツアナの刑に処す」。そう言って鉄製の棒を持って追いかけてきた。ここから逃げるにはあそこしかない。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」