『霧変身系ドラキュラの対処法』~Cool guys don't look at explosions~
「逃げろよ、人間。夜が明けるまで捕まらなければ、お前の命は助けてやる」
その声を聞いた瞬間、俺は全力で走り出していた。新宿の暗い路地裏を駆け抜ける。普段なら誰もいないこの時間帯に、背後から漂う不気味な霧。吸血鬼め、人間の姿を捨てやがった。
「ふっ、逃げ足が速いじゃないか。でも、霧になった僕から逃げ切れると思うのかい?」
声が四方八方から響く。確かに、どこにでも入り込める霧から逃げ切るのは至難の業だ。だが、俺にはプランがある。
「へへっ」
思わず笑みがこぼれる。ジムでトレーニングする時はいつも、この倉庫の前を通っていた。粉塵の貯蔵庫だ。小麦粉やら穀物の粉やら、可燃物がてんこ盛り。
「なに笑っているんだ、人間?」
吸血鬼の声が近づく。計画通りだ。俺は倉庫に駆け込み、スイッチを探る。霧が倉庫内に充満し始める。
「狭い場所に逃げ込むとは、愚かな選択だったな」
「そうかな?」吸血鬼に向かって俺は言う。
「この倉庫が何を貯蔵してるか、知ってるか?」
ポケットからジッポを取り出す。トレーニングの後のタバコ用。まさかこんな使い方をするとは。
「Cool guys don't look at explosions」
ライターを投げ込むと同時に、俺は倉庫から飛び出した。背後で轟音が響き、オレンジ色の光が夜空を染める。
霧と化していた吸血鬼は、粉塵爆発の熱波に巻き込まれ、悲鳴と共に消滅した。
朝日が昇り始める頃、消防車のサイレンが遠くで鳴り響く。俺はプロテインを一口飲みながら、静かに現場を後にした。
今夜のトレーニングは、予想外に刺激的だった。
プロンプト
「『霧変身系ドラキュラの対処法』~Cool Guy don't look Explosion~。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇したマッチョでアメリカンな私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、吸血鬼は霧状になってどこにでも追いかけてくる、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あそこしかない。そう倉庫だ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。オチ、粉塵爆発で吸血鬼をクールに撃退。」