『銀の玉をブチ込め!東京新台入れ替え!!!』
東京の街は、いつもの喧騒を夜の闇に吸い込まれていた。私は仕事帰りに、ネオンの海を泳ぐように歩いていた。そんな時だった。
「おや、良い香りがするね」
振り返ると、そこには月明かりに照らされた白い肌の男が立っていた。鋭い牙が月光に輝いている。吸血鬼だ。
「君と鬼ごっこをしよう」彼は不敵な笑みを浮かべた。
「逃げられたら命の保証をしよう。さあ、走れ」
私は夢中で走った。頭の中では「銀」という文字が踊っている。そうだ、銀なら吸血鬼を倒せる。でも、どこで手に入れる?
そんな時、目に飛び込んできたのは派手なネオンサイン。
「パチンコ SILVER BALL」
「これだ!」
私は躊躇なくパチンコ店に飛び込んだ。店内は騒がしく、銀玉の音が耳を刺す。とりあえず、台に座ろう。
玉を打ち出す。ジャラジャラと銀玉が落ちていく。「よし、これで吸血鬼を倒せる」と思いながら、夢中で玉を打ち続けた。
「当たり!」
歓喜の声を上げた瞬間、隣から声が聞こえた。
「おや、君、随分と楽しそうだね」
ゆっくりと顔を向けると、そこには例の吸血鬼が座っていた。彼も同じように玉を打っている。
「え、えっと...」私は言葉に詰まった。
吸血鬼は優雅に微笑んだ。
「君、鬼ごっこの最中だったのを忘れてないかい?」
「あ、ああ...」
「でも、仕方ないね。このゲーム、中毒性があるよ」彼は好意的に言った。
「それに、ここの銀玉じゃ私は倒せないよ。純度が足りない」
私は呆然とした。結局、命を狙われているのに、敵と並んでパチンコをしている自分がいた。
「さて」吸血鬼が立ち上がった。
「朝日が昇る前に帰らなきゃ。また会おう」
彼は颯爽と去っていった。
(アイツ...負けたんだな)
私は自分のパチンコ台を見つめ、溜息をついた。
「依存症で禁止されていたけど、まあ、命が助かったからいいか...」
そう呟きながら、私は再び玉を打ち始めた。東京の夜は、まだまだ長い。
プロンプト
「場所は近未来の東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。銀の弾丸もしくは銀色の何かをぶち込むために思考を巡らせる。そうだパチンコに行こう。台に座る。パチンコに夢中になる私。気が付くと吸血鬼が隣にいた。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」