『合コンで吸血鬼がいたらお持ち帰りはやめろ!』
俺の名前は田中翔。都内の有名私立大学経済学部に通う、いわゆる「ウエーイ系」の大学生だ。今夜も友達に誘われて合コンに参加している。
正直、あまり知らない奴らからのお誘いに期待はしていなかったが、人数合わせということで仕方なく来た。
新宿のとある個室居酒屋。俺たち男4人と女3人で賑やかに盛り上がっている。といっても、正直なところ相手の女子たちの顔は微妙だった。相手も人数合わせらしいから、仕方ない。
そんな中、リーダー格の女子が突然話し出した。
「あのさ、もう一人来るんだけど…」
彼女の言葉に、俺たち男陣は一瞬息を呑んだ。
「ドタキャンで代わりの子呼んだんだ。めちゃめちゃ可愛いけど、あんまり喋ったことなくてダメもとで〜」
俺はスーパーコンピューター並みの計算速度で展開を予想した。きっと人数合わせだから、もっと微妙な子が来るんだろう。
そして、彼女が現れた。
「ごめんなさい、遅れちゃって。ブラド・莉奈っていいます」
息を呑むほどの美少女だった。色白で、八重歯がチャームポイント。ただ、一つ気になることがあった。
赤い目。
カラコンかな?それとも…
「外国人?ハーフ?」隣の奴が興奮気味に聞いた。
莉奈は微笑むだけで、はっきりとは答えなかった。
合コンは盛り上がったが、莉奈だけは何も口にしなかった。不思議に思いつつも、俺は彼女に夢中になっていった。
お開きの時間。俺は上手い具合に嘘をついて、莉奈と同じ方向に帰ると言い張った。
「楽しかったけど、もっと楽しいことしない?」莉奈が俺に囁いた。
「え?(もしかして…ワンチャンある!?)」
俺の心臓が高鳴る。
「鬼ごっこをしましょう。私が鬼、まあ吸血鬼なんだけどね」
莉奈の言葉に、俺は凍りついた。
「え、え?冗談…だよね?」
莉奈の赤い目が妖しく輝いた。
「冗談じゃないわ。さあ、逃げて。10秒あげる」
俺は走った。全力で走った。
頭の中では『合コンで吸血鬼がいたらお持ち帰りはやめろ!』という警告が響き渡る。
なんで俺はこんな目に遭うんだ!?人数合わせなんかに参加するんじゃなかった!
背後から莉奈の笑い声が聞こえてくる。
「翔くん、待ってよ〜。ちょっとだけ血を分けてくれればいいの」
俺は必死に逃げ続けた。でも、どこまで逃げても莉奈の姿が見えなくなることはない。
そして気づいた。これが鬼ごっこなら、俺には勝ち目がないということを。
立ち止まって振り返ると、莉奈が優雅に歩いてくる。
「観念したの?良い子ね」
俺は覚悟を決めた。
「一つだけ聞かせてくれ。なんで合コンなんかに…?」
莉奈は笑った。八重歯が月明かりに輝く。
「だって、美味しそうな若い子がたくさんいるんだもの。でも、君が一番魅力的だったわ」
俺は目を閉じた。首筋に莉奈の吐息を感じる。
「いただきます♡」
その時、突然の叫び声が聞こえた。
「そこまでだ!」
目を開けると、さっきの合コンで一緒だった男たちが駆けつけてきていた。手には十字架や水鉄砲。
「お前ら!?」
「翔、無事か!?俺たち、実は吸血鬼ハンターなんだ!」
莉奈は舌打ちした。
「チッ、せっかくの美味しそうな獲物だったのに」
一瞬にして彼女の姿は消えていた。
俺はその場にへたり込んだ。
「お前ら…マジか…」
リーダー格の男が肩を叩いた。
「悪い、騙してたんだ。これも仕事のうちでな」
俺は呆然としながら呟いた。
「もう二度と合コンなんか行かねえ…」
それからというもの、俺は真面目に勉強に励むようになった。そして、卒業後は某大手銀行に就職。
ただ、夜の街を歩くときはいつも後ろを振り返るクセがついてしまった。
赤い目を持つ美女を警戒して。
プロンプト
「『合コンで吸血鬼がいたらお持ち帰りはやめろ!』。場所は夜の東京。俺は都内の大学に通う経済学部ウエーイ系大学生。人数合わせで参加した合コンにいる。「もう一人、ドタキャンで代わりの子読んだけど…」。(相手の面子の顔は微妙、つまり人数合わせは自分たちの格を上げるためもっと微妙な女子になるハズ)。俺はスーパーコンピューター並みの計算速度で展開を予想する。「めちゃめちゃ可愛いけど、あんまり喋ったことなくてダメもとで~」。リーダー的なゴリラがメイクをしたような女がペチャクチャしゃべる。そして、遅れてきて彼女がきた。「ごめんなさい、ブラド・莉奈っていいます」。色白でめちゃめちゃ可愛い。八重歯もセクシー。ただ、赤目?カラコンかな。「外国人?ハーフ?」。俺を含めた男性陣が色めき立つ。莉奈は合コン中終始なにも食べなかった。そして、お開き、俺は上手い事彼女と変える道が同じだと、巧妙に嘘をいい彼女と帰っていた。「楽しかったけど、もっと楽しいことしない?」。「え(もしかして…ワンチャンある!)」。「鬼ごっこをしましょう。私が鬼、まあ吸血鬼なんだけどね」。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう」