『ぶっかけ聖水♂』
真夜中の東京、六本木の裏路地。私は息を切らせながら走っていた。背後から聞こえてくる不気味な笑い声に背筋が凍る。
「カズキくん、もう逃げるのはやめにしない?」甘い声で女吸血鬼が囁いた。「私たちの鬼ごっこ、楽しいでしょう?」
私は答えず、ただひたすら走り続けた。なぜこんなことになったのか。ただ終電を逃し、タクシー代を節約しようと歩いて帰ろうとしただけなのに。
スマートフォンを取り出し、走りながら必死で検索する。
「聖水 作り方」
検索結果を見て愕然とした。普通の水に祈りを捧げるだけ?そんな悠長なことはしていられない。
突然、閃いた。
電話を掛ける。
「もしもし、タケル?悪いが緊急事態なんだ。今すぐ聖水を集めてくれ。できるだけ多く。どこでもいい、教会でも神社でも、水さえあればいい。30分後に原宿の交差点で。頼むぞ!」
タケルは何も聞かずに了承してくれた。さすが不良の親玉、面倒な質問はしない。
30分後、原宿。タケルが大きなペットボトルを両手に提げてやってきた。
「お前、何かヤバいことに巻き込まれたのか?」タケルが訊ねる。
「説明してる暇はない。ありがとう、命の恩人だ」
ペットボトルを受け取り、再び走り出す。背後から吸血鬼の気配を感じる。
「見~つけた♪」吸血鬼が歌うように言う。
振り返り、ペットボトルの蓋を開ける。中身を吸血鬼に向かって撒き散らす。
「ギャアアアア!」吸血鬼が悲鳴を上げ、煙を上げながらその場に崩れ落ちた。
勝った。私は安堵のため息をつく。
しかし、なぜだろう。辺りに漂う異様な臭い。アンモニア臭?
ふと、タケルから受け取ったペットボトルのラベルに目がいく。そこには達筆で「聖なる水」と書かれていた。
そして、その下に小さく注釈が。
「原料:タケルの聖なる小便」
私は思わず吹き出した。こんな状況でも笑えるなんて。東京の夜は、本当に何が起こるかわからない。
プロンプト
「場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。逃げている途中で私は「聖水作り方」をネットで調べる。私だけではダメだ。悪そうな友達に頼んで聖水を集めてもらう。その聖水を使って吸血鬼を撃退する。吸血鬼を撃退した場所は妙にアンモニア臭かった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」