表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/601

『どこでもドラキュラ』

 

 東京の夜は、いつもより濃い闇に包まれていた。


「おい、きみ!鬼ごっこしよう」


 振り返ると、そこには見たこともない奇妙な男が立っていた。長い黒髪、蒼白い肌、そして鋭い犬歯。間違いなく、吸血鬼だ。


「ぼくの名前は銅鑼座衛門(ドラザェモン)。さあ、逃げろ!」


 私は全力で走り出した。頭の中では、吸血鬼の弱点である日光のことしか考えられなかった。


「朝まで逃げ切れば勝てる。でも、それまで持つかな...」


 最初に飛び込んだのは、24時間営業のコンビニ。店内を駆け抜けると、レジカウンターの向こうで銅鑼座衛門が不敵な笑みを浮かべていた。


「ウフフフ、いらっしゃいませ〜」


 慌てて外に飛び出す。次に入ったのは、近くの公衆トイレ。扉を開けると、そこにも奴がいた。


「よう、用足せる?」


「くそっ!」


 私は夜の街を必死で駆け抜けた。キャバクラに逃げ込んでも、キャストに扮した銅鑼座衛門が出迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、お兄さん。シャンパン開けちゃう?」


 最後の望みを託して、ネットカフェに逃げ込む。受付で会員カードを差し出すと、そこにいたのは...


「はい、こちらお客様の部屋になります」


 案内された個室のドアを開けると、そこには銅鑼座衛門が待っていた。ブースから顔を出し、にやりと笑う。


「どこでも銅鑼♪」


「もう、どこに行っても無駄なのか...」


 絶望的な気分で外に出ると、東の空が薄っすらと明るくなり始めていた。


「あ、もうこんな時間か」


 銅鑼座衛門の声が背後から聞こえる。振り返ると、彼は日傘を差していた。


「おっと、日が昇った。今日のところは勘弁してあげるよ。でも覚えといて。ぼくは、どこにでもいるんだから!」


 そう言い残すと、銅鑼座衛門は立ち去った。


 私は疲れ果てた体を引きずりながら、家路につく。


「まったく、どこにでもいるドラキュラか...」


 そう呟きながら歩いていると、ふと気づいた。ポケットの中から、見覚えのない名刺が出てきたのだ。


『どこでもドラキュラ株式会社 代表取締役社長 銅鑼座衛門』


 私は思わず苦笑いを浮かべた。

プロンプト

「『どこでもドラキュラ』。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は銅鑼座衛門と名乗った。私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。私は必死で逃げる。コンビニ。トイレ。キャバクラ。果てはネットカフェまで。しかし行く先々でドラキュラが先回りしていた。「くそ!どこでもいる」。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ