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『吸血鬼に襲われたら日焼けサロンに逃げ込め』

 

 深夜の東京、六本木の雑踏を抜けて帰宅途中だった私は、突如として背後に冷たい視線を感じた。振り返ると、そこには月明かりに照らされた、異様に白い肌の男が立っていた。


「こんばんは、美味しそうな人間さん」


 その言葉と共に、男は口を開け、鋭い牙を見せつけてきた。間違いない。これは吸血鬼だ。


「ちょ、ちょっと待って!」私は慌てて叫んだ。


「いきなり襲うなんて野蛮すぎるでしょ?」


 吸血鬼は首を傾げた。


「ほう?では、どうすれば良いというのかな?」


「そうだな…」私は必死に頭を働かせる。


「鬼ごっこはどうだ?逃げ切れたら命は勘弁してくれ」


 吸血鬼は悪魔的な笑みを浮かべた。


「面白い。良かろう。ただし、日の出までだ。それまでに捕まらなければ、お前の勝ちだ」


「了解」


「では、10秒数えよう。その間に逃げるんだな」


 吸血鬼が目を閉じ、カウントダウンを始めた瞬間、私は全力で走り出した。


 頭の中では次々とプランが浮かんでは消えていく。教会?いや、映画の設定だ。ニンニク?今どき持ち歩いている人間がいるか。銀の十字架?ビジュアル系ロックバンド好きじゃあるまいし。


「残り5秒だ!」吸血鬼の声が背後から聞こえてきた。


 そのとき、目の前に現れた看板が目に飛び込んできた。


『24時間営業・日焼けサロン』


 これだ!


 私は最後の力を振り絞って、サロンに飛び込んだ。


「お客様、いらっしゃいま…うわっ!」


 店員は私の荒々しい入店に驚いたが、私には構っている暇はなかった。


「お願い!とにかく一番強い照射コースを!今すぐに!」


 店員は困惑しながらも、私を個室に案内し、マシンをセットした。


 その瞬間、吸血鬼が店内になだれ込んできた。


「見つけたぞ、人間よ」


 吸血鬼が個室のカーテンを開けた瞬間、まばゆい光が彼を包み込んだ。


「ぎゃあああああ!」


 断末魔の叫びと共に、吸血鬼の体は灰となって床に崩れ落ちた。


 しばらくの静寂の後、おずおずと顔を上げた私の目に飛び込んできたのは、うっすらと日焼けした自分の腕だった。


「お客様」おそるおそる近づいてきた店員が言った。


「あの、代金の方は…」


 私は疲れきった表情で財布を取り出した。


「ええ、もちろん。ところで、ここって会員制?」

プロンプト

「『吸血鬼に襲われたら日焼けサロンに逃げ込め』。場所は東京、夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。吸血鬼の弱点はいくつもあるが、結局あそこしかない。そう日サロだ。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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