表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
239/601

『吸血鬼魔王を倒した勇者』

 

 俺様こと勇者は、ついに吸血鬼の魔王を倒した。長年の苦難と訓練、そして数えきれないほどの犠牲の末に、ようやくだ。


「やったぞ!」


 俺は両手を挙げて勝利の雄叫びを上げた。しかし、その歓喜もつかの間。


 魔王が、血まみれの唇を歪ませて笑った。


「ふふふ…私を倒した褒美に呪いをお前に与えてやる」


「なに!?」


 俺は身構えたが、魔王はただ笑い続けるだけだった。そして、その笑い声とともに、魔王の体は塵となって消えていった。


「く!」


 俺は呪いの効果を恐れて目を閉じた。しかし…何も起こらない。


「ふん、どうせ死に際の戯言だったんだろう」


 そう言い聞かせながら、俺は凱旋の途につく。道中、呪いの影響かもしれないと思いながら、自分の体を念入りにチェックした。しかし、何も変わった様子はない。


「魔王の呪いとは一体なんだったんだ?」


 そんな疑問を抱きながら、ようやく俺は街に到着した。


「おお、勇者様!」


 入城するや否や、一人の商人が声をかけてきた。俺は思わず目を疑った。その商人の姿が、まるで吸血鬼のように見えたからだ。


「な、なんだ!?」


 俺は剣に手をかけたが、商人は何食わぬ顔で近づいてくる。


「魔王を倒したんですね!さすが勇者様!」


「お、おう…」


 俺が困惑していると、商人は大声で叫んだ。


「みんな!勇者様が魔王を倒したぞ!」


 その声に呼応するように、街中から人々が集まってきた。しかし、俺の目には、彼らの姿がことごとく吸血鬼に見える。赤い目、鋭い牙、蒼白い肌…


(これが呪いなのか…)


 俺は愕然とした。魔王の呪いは、俺の目を狂わせたのだ。これからずっと、すべての人間が吸血鬼に見えてしまう。


 歓声を上げる市民たちを前に、俺は苦笑いを浮かべた。


「ありがとう、みんな。魔王は確かに倒した。だが…どうやら俺にも代償があったようだ」


 誰も俺の言葉の真意を理解できない。彼らには、俺が栄光に酔いしれた英雄にしか見えないのだろう。


 そう、俺は英雄だ。吸血鬼たちに囲まれた、吸血鬼殺しの英雄なのだ。


 こうして、俺の新たな冒険が始まった。吸血鬼だらけの世界で、正気を保ち続ける冒険が…。

プロンプト

「場所は異世界。俺は勇者。ついに吸血鬼の魔王を倒した。「やったぞ!」。そのとき、魔王が笑いながら「私を倒した褒美に呪いをお前に与えてやる」。私は魔王に呪いをかけられた。「く!」。しかしなんともない。私は街へ帰る途中もなにも変化がないことを不思議に思う。「魔王の呪いとは一体なんだったんだ」。私は街に入る。「おお、勇者様」。商人が話しかけてきた。その商人は吸血鬼みたいなみためだった。私は身構えるが商人は無防備に近づいてくる。「魔王を倒したんですね!」。「お、おう」。「みんな!勇者様が魔王を倒したぞ!」。商人が言うと街のみんなが集まってきた。しかし、だれもかれも吸血鬼に見える。(これが呪いなのか…)。このプロットを元にシニカルコメディ短編小説を書きましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ