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『オレオレ吸血鬼』

 

 東京の喧騒が落ち着く頃、私の携帯が鳴った。時計を見ると、23時47分。こんな時間に誰だろう?


「もしもし?」


「俺だよ俺」


 聞き覚えのない声に、私は眉をひそめた。


「あの、どちら様ですか?」


「俺だよ俺。吸血鬼だよ」


 一瞬、耳を疑った。吸血鬼?まさか。でも、相手は至って真面目な様子だ。


「今から、献血に行ってほしいんだけどさ」


 なるほど。吸血鬼だから血が欲しいのか。でも、なぜ私に?そもそも、なぜ私の番号を?


「行かないと、どうなります?」声を震わせながら尋ねる。


「追いかけるよ」


 その瞬間、背筋が凍りついた。思わず窓の外を見ると——そこには、携帯で話しながらこちらを見つめる、青白い顔の男がいた。慌ててカーテンを閉める。


 心臓が口から飛び出しそうだった。どうすればいい?警察?でも、「吸血鬼に追われています」なんて言ったら、笑われるに決まっている。


 再び携帯が鳴る。


「どうする?献血、行く?」


「はい、はい!行きます!」思わず叫んでしまう。


「よし、じゃあ10分以内に最寄りの献血ルームな。遅れたら...わかるよね?」


 電話が切れる。時計を見ると23時55分。こんな時間に開いている献血ルームなんてあるのか?


 とにかく、家を出なければ。玄関に向かいながら、スマホで24時間営業の献血ルームを必死に探す。


 そのとき、ふと気づいた。


 そういえば、今日は......ハロウィンじゃないか。


 玄関を開けると、そこには青白い顔をした男が立っていた。その手には、お菓子を入れる籠。


「トリック・オア・トリート!」


 男は満面の笑みを浮かべていた。その口元から、プラスチック製の牙がのぞいている。


「あれ?もしかして、電話の...」


 男は首を傾げる。


「え?なに?」


 その瞬間、私の携帯が鳴る。


「もしもし?」


「俺だよ俺。吸血鬼だよ。献血、まだ?」


 私は呆然したまま、目の前の「吸血鬼」と携帯を交互に見つめた。

プロンプト

「場所は東京。ある夜、携帯が鳴った。「もしもし?」。「俺だよ俺」。「あの、どちら様ですか?」。「俺だよ俺。吸血鬼だよ」。どうやら電話の相手は自称吸血鬼だった。「今から、献血に行ってほしいんだけどさ」。どうやら、吸血鬼は血が欲しいらしい。「行かないと、どうなります?」。「追いかけるよ」。そのとき、窓ガラスをみると吸血鬼が携帯で話しながらこっちを見ていた。思わずカーテンを閉める私。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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