『永遠の命を持つと気が付く後悔』
東京の片隅、閑静な住宅街の一角に佇む古びた研究所。そこで日夜「永遠の命」の研究に没頭する天才科学者の田中博士。彼の日課は、朝はコーヒーを啜りながら実験データを確認し、夜は近所のコンビニで買ったカップ麺をすすりながら論文を執筆すること。
ある日、いつものように実験に没頭していると、突然来訪者が。
「こんにちは、順調ですか?」
声の主は、大手マスメディアを裏で操る大物政治家の秘書、佐藤。
「あのお方も『そろそろ完成してくれない』と困ると言ってました」
田中博士は内心で溜息をつきながら、
「試作品は出来ている」と答える。そして、小さな薬瓶を取り出し、佐藤に手渡す。
「被検体を見つけて試してほしい」と博士。
「念のため、深夜に使うことをオススメする」
佐藤は無言で頷き、薬瓶を持って立ち去った。
翌日の深夜、田中博士はニュースで佐藤の失踪を知る。「あ、飯を買いに行かねば」と呟きながら、博士はコンビニへ向かう。
帰り道、後ろから声がする。
「こんにちは、先生」
振り向くと、そこにはまるで吸血鬼のような姿の佐藤が立っていた。蒼白い顔、赤く光る眼、尖った犬歯。
「おや、佐藤君。君が被検体かい?」と博士。
「はい、先生。これが永遠の命というものです」と佐藤は答える。
「そうか。で、どうだい?永遠の命は」
「正直、困っています。朝日が眩しくて外出できないし、にんにくのにおいで気分が悪くなるし...」
田中博士は苦笑いを浮かべる。
「そうか。永遠の命にも欠点があるってことだな」
「それに...」佐藤は続ける。
「永遠に生きるってことは、永遠に仕事をしなきゃいけないってことだと気づいたんです」
「ああ、そりゃあ大変だ」と博士。
「じゃあ、解毒剤を作ろうか?」
佐藤は目を輝かせる。
「お願いします!」
その夜から、田中博士の研究テーマは「永遠の命」から「永遠の命からの解放」へと変わった。そして、永遠の命を得た政治家たちは、毎晩こっそりと博士の元を訪れるようになったのであった。
プロンプト
「場所は東京の端。私は国から助成金を貰ってある研究をしていた。その研究とは「永遠の命」。「こんにちは、順調ですか?」。私の元を訪れたこの男はある代議士の秘書。「あのお方もそろそろ完成してくれないと困ると言ってます」と言う。あのお方とは大手マスメディアを裏から操る齢100になろうとしているあのお方。「試作品は出来ている」。そう言って私は秘書に試作品を渡す。「被検体を見つけて試してほしい」。私がぶっきらぼうに言うと、秘書はなにも言わずに持って行った。「念のため、深夜に使うことをオススメする」。次の日、例の秘書がなぞの失踪を遂げた。私はそれを深夜に知った。「あ、飯を買いに行かねば」。私はコンビニに買い出かけた。帰宅途中だった。「こんにちは、先生」。振り向くとあの秘書がいた。その姿はまるで吸血鬼のようだった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」