『東京ディストピア』
東京の廃墟に、月光が冷たく照らし出す。かつて世界一の大都会だったこの場所も、今では瓦礫の山と化していた。そんな荒廃した風景の中、一人の男が佇んでいる。
「今日もネズミの血か」
ため息まじりに呟いたのは、吸血鬼のカズキ。かつて「夜の帝王」と恐れられた存在だが、今や肩書きの前に「元」がついてしまっている。
人類が核戦争で9割も死滅してしまった今、カズキにとって「新鮮な」人間の血など、はるか昔の思い出でしかない。それでも彼は生きながらえ、日々をやり過ごしていた。
「ん、あれは...」
突如、カズキの目に人影が映った。廃墟の向こうで、何かが動いている。
「100年ぶりの人間か!」
興奮を抑えきれず、カズキは急いで廃墟に向かった。よろめきながらも、かつての俊敏さを取り戻そうとするその姿は、滑稽なほどだった。
しかし、そこで彼を待っていたのは...
「ピ、ピ、ピー」
人間ではなく、錆びついたロボットだった。
「はは」
乾いた笑いが廃墟に響く。カズキは膝から崩れ落ちた。
「なんてこった。人間じゃなくてロボットかよ」
がっかりしたカズキだったが、ふと思いついた。
「でも待てよ。こいつの中に役に立つものでも入ってないかな?」
希望を胸に、カズキはロボットに近づいた。しかし、ロボットの胸部から突如レーザーが発射される。
「うわっ!」
カズキは間一髪で避けたが、彼の大切な髪の毛が焦げてしまった。
「おい!1000年かけて育てた髪だぞ!」
怒り心頭のカズキは、ロボットに飛びかかった。しかし、ロボットは意外にも強く、二人は廃墟の中を転げ回る。
結局、力尽きたロボットの電源が切れ、カズキは勝利を収めた。だが...
「結局、なにも出てこなかったじゃないか」
肩を落とすカズキ。しかし、彼の表情がふと明るくなる。
「でも、久しぶりに楽しかったな。明日は違う廃墟を探検してみよう」
そう言って、カズキは夜の闇に消えていった。彼の長い人生(?)は、まだまだ続きそうだ。
プロンプト
「場所は東京だったところ。私は吸血鬼。夜の帝王いや元・夜の帝王。今日も人間の生き血を吸いたかった。しかし、ここは荒廃した土地。「今日もネズミの血か」。人類は核戦争で9割が死んだ。「ん、あれは...」。廃墟に人影を見つける。「100年ぶりの人間か!」。私は急いで廃墟に向かう。しかし、そこにいたのはロボットだった。「はは」。乾いた笑いが廃墟に響く。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」