『ヴァンパイアノート』~The Last Vampire~後編
その夜、俺は一睡もできなかった。ヴァンパイアノートの存在が頭から離れない。翌朝、眠い目をこすりながら学校に向かう。
教室に入ると、クラスメイトたちが興奮した様子で話し合っていた。
「ねえねえ、知ってる?昨日の夜、底辺配信者が突然変異したんだって!」
「マジで?どういうこと?」
「なんか、配信中に急に歯が伸びて、肌が青白くなったらしいよ」
俺は凍りついた。まさか、こんな事件になるとは...。
休み時間、親友の三神がやってきた。
「よう、月光。なんか元気ないな」
「あ、ああ...ちょっと寝不足で...」
「そうか?...って、おい!お前の歯、尖ってないか?」
慌てて口を隠す俺。まさか、ノートを使っただけで自分も変化が...?
放課後、急いで帰宅した俺は、鏡の前で歯をチェックする。確かに、少し尖っているような...。
「効果は使用者にも及ぶんだよ」
黒づくめの男が現れた。
「どういうことだ!説明書きには書いてなかっただろ!」
「細かいことは省略したんでね。さて、どうする?このまま進めば、お前も完全な吸血鬼になる。血を求めるようになるぞ」
俺は頭を抱えた。こんなはずじゃなかった。
その時、スマホが鳴った。LINEだ。
「月光、アタシね、明日からしばらくホストクラブ巡りの旅に出るわ。よろしくね~」
母さん、こんな時に...。
「わかった、気をつけてね」
と返信する。
(母ちゃん、マジでホスト狂いだな...って、それより!何とかしないと!)
俺は決意した。
「...俺がこの事態を収拾するしかない。とりあえず動画でも見て落ち着くか」
ボーっとしながら俺はスマホを握りしめていた。佐藤ピエールの配信が突然終了してから数十時間後、動画配信サイトに新たな配信が始まった。
「世界の名探偵 S(本名非公開)」の緊急生配信が始まったのだ。
「皆さん、こんばんは。世界の名探偵Sです」
落ち着いた声が響く。視聴者数は瞬く間に100万を超えた。
「先ほどの佐藤ピエール氏の吸血鬼化事件について、重大な進展がありました」
俺は息を飲んだ。
「この事件の容疑者は2人に絞られました」
「クソ!流石だな、世界の名探偵」
俺は悔しさで歯ぎしりした。
「そう、この実況を見ていた私を除く2人です」
「おい!お前もあの底辺配信見てたのかよ!」
思わず叫んでしまう。黒づくめの男がクスクスと笑う。
「そして、ある調査で一人に絞り込めました。そう、あの実況を見ていた3人のうち、一人は私、もう一人は母親だったんです」
俺の体から血の気が引いた。
「残る一人、そう、夜ノ神月光君。君が容疑者だ」
画面に俺の顔写真が映し出される。
「ば、馬鹿な...どうやって...」
「簡単さ。佐藤氏の配信を見ていた3人のIPアドレスを追跡し、その中から君を特定した。そして、君の部屋に隠しカメラを仕掛けていたんだ」
「な...何のために...」
「君の父親、夜ノ帝王こと宗一郎。彼はただのホストではない。闇社会の大物だ。彼の息子である君を24時間監視する必要があったのさ」
俺は絶句した。
「さあ、観念しろ。警察がそちらに向かっている」
パトカーのサイレンが聞こえてきた。
「くそっ...」
俺はノートを握りしめた。黒づくめの男が耳元でささやく。
「どうする?逃げるか?それとも...」
その時、母親が部屋に入ってきた。
「月光?何があったの?外がうるさいわ」
俺は母親を見た。そして、決意した。
「ママ、ごめん」
俺はノートを開き、自分の名前を書いた。
「月光!何を...」
母親の声が遠のいていく。俺の体が熱くなり、変化し始める。
「これで...終わりだ」
牙が生え、目が赤く染まる。
「俺が...最後の吸血鬼になる」
警察が部屋に踏み込んできた時、そこにいたのは一匹のコウモリだけだった。
窓の外で、黒づくめの男が不敵な笑みを浮かべている。
「さて、次のゲームの準備をしようか」
彼の手には、新しい黒いノートが握られていた。
プロンプト
「続き、動画配信サイトの実況で「世界の名探偵 S(本名非公開)」が配信を始めた。「この佐藤ピエールの吸血鬼化事件の容疑者は2人に絞られました」。「クソ!流石だな。世界の名探偵」。私は悔しがる。「そう、この実況を見ていた私を除く2人」。「おい!お前もあの底辺配信見てたのかよ!」。「そして、ある調査で一人に絞り込めました。そう、あの実況を見ていた3人のうち、一人は私、もう一人は母親だったんです」。このプロットを元に物語を締めくくってください。」