『ヴァンパイアノート』前編
「Vampire Note How To Use」
「この『ヴァンパイアノート』に名前を記入された者は、吸血鬼となる」
はじめに
このノートは非常に強力な魔力を持ち、使用者に特別な力を与えますが、その使用には注意が必要です。この取扱説明書をよく読んでから使用してください。
1. ヴァンパイアノートの概要
ヴァンパイアノートは、名前を書かれた人を吸血鬼に変える力を持つノートです。吸血鬼になった人は不老不死の力を得ますが、血液を摂取しなければならなくなります。
2. 使用方法
1. 名前の記入:
- ノートの任意のページに、吸血鬼にしたい人のフルネームを正しく書きます。
- 名前を書いた後、ノートが赤く光り、その人物が吸血鬼に変わります。
2. 有効範囲:
- 名前を書かれた人がこの世界のどこにいても、効果は適用されます。
- 効果は即時発動しますので、慎重に行ってください。
3. 使用上の注意
1. 倫理的配慮:
- ノートの使用により、その人の人生が大きく変わります。慎重に判断してください。
- 無闇に他人を吸血鬼にすることは、社会的にも倫理的にも問題が生じます。
2. ノートの保管:
- ノートは他人の手に渡らないよう、厳重に保管してください。
- ノートを紛失した場合、取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があります。
4. 吸血鬼になった後の対処法
1. 血液の摂取:
- 吸血鬼になった人は定期的に血液を摂取する必要があります。
- 可能であれば、動物の血液で代用するなど、人間に対する危害を避ける方法を考えてください。
2. 社会生活:
- 吸血鬼になった後も社会生活を続ける方法を模索することが重要です。
- 夜間に活動することが推奨されますが、日光を避けるための対策も必要です。
5. 緊急時の対応
1. ノートの破壊:
- ノートを破壊する方法は存在しますが、非常に困難です。特定の儀式と道具が必要です。
- 破壊を試みる際は、専門家の助けを求めてください。
2. 吸血鬼の治療:
- 現時点で吸血鬼化を完全に治療する方法は確立されていません。
- 研究を続けることが重要です。
6. 最後に
ヴァンパイアノートを使用する際は、その力と影響を理解し、慎重に取り扱ってください。倫理的かつ責任ある行動が求められます。
本取扱説明書に従い、安全にお使いください。
深夜の東京。予備校帰りの俺、夜ノ神 月光は、道端に落ちている黒いノートを見つけた。表紙には「Vampire Note」と書かれている。
「おいおい、中二病かよw」
俺は笑いながらノートを拾い上げた。まあ、珍しいものだし持って帰るか。
家に着いて部屋に入ると、好奇心に負けてノートを開いてみる。中身は予想外だった。
「この『ヴァンパイアノート』に名前を記入された者は、吸血鬼となる」
続く説明文を読んでいくと、どうやらAIに書かせたような不自然な日本語で書かれている。思わず吹き出してしまう。
「やあ、人間。ノートを拾ったようだな」
突然聞こえた声に振り返ると、黒づくめの男が立っていた。
「ええええ!!!」
驚いて叫ぶ俺。すると母親が部屋に入ってきた。
「月光?どうしたの?」
黒づくめの男が俺に向かって言う。
「大丈夫、君にしか視えない」
「あ、ママ。なんでもないよ」
「そう?じゃあ、アタシはアルマンド買いに行くね」
母親が出て行くのを見送りながら、俺は冷や汗をかいていた。
黒づくめの男は続ける。
「そのノートの力を試してみたくないかい?」
俺は躊躇した後、「試しに」とつぶやいた。
動画サイトを開き、ある底辺配信者の名前をノートに書き込む。実況を見ていると、配信者の姿が変わり始めた。歯が鋭くなり、肌が青白くなっていく。
「これは...」
俺の目が輝いた。この力を使えば、世界を変えられる。悪人を罰し、弱者を救うことができる。
「俺は新世界の神になる」
そう呟いた瞬間、黒づくめの男が不敵な笑みを浮かべた。
「おや、そう簡単には行かないぞ。吸血鬼になった者は、毎日血を吸わなければならない。そして、その犠牲者もまた吸血鬼になるのだ」
俺は愕然とした。これは想定外だった。
「そんな...じゃあ、世界中が吸血鬼だらけに...?」
「そうだ。お前が神になるか、それとも世界が終わるか。さあ、どうする?」
俺は冷や汗を流しながら、ノートを見つめた。これからどうすればいいのか。頭の中で様々な思いが渦巻いていた。
そのとき、母親が戻ってきた。
「月光~、アルマンド買ってきたわよ~」
俺は慌ててノートを隠した。
「あ、ありがとう、ママ。でも俺、二十歳になってないからお酒飲めないんだ」
母親は俺の顔を見て首を傾げた。
「あら?顔色悪いわね。もしかして、吸血鬼にでもなったの?」
母親の冗談に、俺は苦笑いを浮かべた。
「まさか...」
部屋の隅で、黒づくめの男がクスクスと笑っている。
これから俺はどうなるのだろう。神になるのか、それとも世界の破滅を招くのか。ヴァンパイアノートが俺の人生を、そして世界の運命を変えようとしていた。
俺は震える手でスマホを握りしめ、動画サイトを開いた。そこには、いつものように底辺配信者・佐藤ピエール(本名:佐藤太郎)が映っていた。
「やあ、みんな!今日もピエールのゲーム実況にようこそ!」
画面の中の佐藤は、いつもの調子で配信を始めている。視聴者数はたったの3人。俺は深呼吸をして、ノートを開いた。
「佐藤太郎」
そう書いた瞬間、画面の中の佐藤に変化が現れ始めた。
「え?なんか...体が...熱い...」
佐藤が首を押さえながら呟く。その姿を見て、俺は息を飲んだ。
「まさか、本当に効果があるのか...?」
黒づくめの男が俺の耳元でささやく。
「ああ、もちろんだとも」
画面の中の佐藤の変化は加速していく。
「う...うぅ...!なんだこれ...!」
佐藤の歯が鋭く尖り始め、肌の色が青白くなっていく。そして、目の色が赤く変わり始めた。
「おい、ピエール!お前...大丈夫か?」
「顔色悪いぞ?」
「なんか、ドラキュラみたいになってね?」
コメント欄も騒がしくなり始めた。
突然、佐藤が画面に顔を近づけた。その目は真っ赤で、口からは鋭い牙がのぞいている。
「血...血が...欲しい...」
佐藤の声は低く、うなるような音になっていた。
「うわっ!マジでドラキュラじゃん!」
「CGか?」
「いや、これリアルすぎない?」
コメントが次々と流れる。視聴者数が急激に増え始めた。
そのとき、佐藤の部屋のドアが開く音がした。
「太郎、晩ご飯できたわよ」
母親らしき声が聞こえる。
「来ないで!」
佐藤が叫ぶ。しかし、母親は既に部屋に入っていた。
「あら、太郎?どうしたの?また変な配信...きゃああっ!」
突然、悲鳴が聞こえた。そして画面が真っ暗になる。
「なっ...」
俺は呆然とした。
数秒後、画面が再び明るくなった。そこには、牙をむき出しにした佐藤と、首筋から血を流す母親の姿があった。
「美味しい...こんなに美味しいものがあったなんて...」
佐藤が血に濡れた口元を舐めながら呟く。その瞬間、母親の体も変化し始めた。
「な...何これ...私も...」
母親の歯が鋭くなり、目が赤く染まっていく。
「やべえ!これガチじゃね?」
「警察呼んだほうがいいんじゃ...」
「いや、もう遅いかも...」
コメント欄は混乱の極みだった。視聴者数は1万を超えていた。
俺はスマホを落とし、後ずさりした。
「これが...ヴァンパイアノートの力...」
黒づくめの男が不敵な笑みを浮かべる。
「さあ、これからどうする?このままでは、吸血鬼は指数関数的に増えていくぞ」
俺は冷や汗を流しながら、震える手でノートを見つめた。これを止める方法はあるのか。それとも...
続く
プロンプト
「そのノートに名前を書かれた人は吸血鬼になる。ヴァンパイアノートの使い方を考えて取説を書いてください。」
「このヴァンパイアノートと次のプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。俺の名前は夜ノ神月光。ホスト狂いの母親とホストの父親の宗一郎が名付けたキラキラネームをもつ普通の高校生。場所は東京。深夜。予備校の帰りに道端で黒いノートを見つける。「Vampire Note」と表紙に書かれていた。「おいおい、中二病かよw」。家に帰って読むと、書かれたものは吸血鬼になるらしい。AIに書かせたような日本語の取説に笑えてきた。「やあ、人間。ノートを拾ったようだな」。振り返ると黒づくめの男がいた。「ええええ!!!」。母親が部屋に入ってくる。「大丈夫、君にしか視えない」。「ママなんでもないよ」。「そう?じゃあ、アタシはアルマンド買いに行くね」。母親が出て行く。「試しに」。そう言って、動画サイトの底辺配信者の名前を書く。実況を見ていると、吸血鬼になる。「これは...俺は新世界の神になる」。」
「月光が底辺配信者の名前を書いて吸血鬼になる様子を見る。このプロットを元に続きをかいてください。」