『髪結い処へ』~カリスマ美容師(死語?)~
東京の喧騒が静まり返る深夜、私は急ぎ足で歩いていた。突如、闇の中から現れた男に声をかけられる。
「おや、こんな時間に一人で歩くのは危険ですよ」
振り返ると、異様に白い肌と鋭い牙が目に入った。吸血鬼だ。
「やあ、鬼ごっこしない?」と吸血鬼が誘ってきた。
「悪いけど、今日は予定があるので」と私は冷たく答えた。
10年前、高校生だった私は、噂のカリスマ美容師の予約を取った。そして今日、ようやくその日が来たのだ。ふざけた吸血鬼なんかに付き合っている場合じゃない。
美容室に到着すると、カリスマ美容師が出迎えてくれた。
「どうも」と緊張して目も合わせられない私。
「お待ちしておりました」と美容師は丁寧に答える。
手慣れた様子で準備を始める美容師。その動きには確かにカリスマ性があった。
「今日はどうされますか?」
「えーっと...」
「お任せください」
さすがカリスマ、話が早い。
鋏の音だけが響く静寂の中、美容師が話しかけてきた。
「ところで、今日は何か変わったことでもありました?」
ため息まじりに、先ほどの吸血鬼の話をする。
「いやー、きついっすねー」と美容師。
その言葉に思わず笑みがこぼれる。しかし、その瞬間、違和感が走った。鏡...鏡に美容師が映っていない。
恐る恐る横目で美容師の顔を見ると、にやりと笑う吸血鬼の顔があった。
「ところで、このあと鬼ごっこでも...」
絶望的な状況の中、私の頭には一つの考えが浮かんだ。
(もし逃げ切れたら、次の予約はいつになるんだろう...)
プロンプト
「場所は東京。夜中に吸血鬼と遭遇した私。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は無視してカリスマ美容師の店へ向かう。カリスマ美容師。予約10年待ちのプロである。(高校生のころに予約してやっと今日切ってもらえるんだ。あんなふざけたやつにかまってられない)。「どうも」。例のカリスマ美容師がくる。手慣れた様子で散髪の準備をする。「お客さん、今日は?」。「えーっと」。「任せてください」。さすがカリスマはなしが早い。「ところでなにか今日変わったこととかありました?」。私はあの変な男の話をする。「いやーきついっすねー」。私は笑いながらあることに気が付いた。この美容師、鏡に映っていない。横目でカリスマ美容師の顔をみると。「ところでこのあと、鬼ごっこでも」。奴だった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」