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『むかしむかし、あるところに』~血に染まる芝刈り鎌~

 

 むかしむかし、ある山里におじいさんとおばあさんが住んでいました。二人とも年を重ね、しわくちゃな顔にはたくさんの人生が刻まれていました。


 ある日のこと、いつものように朝早くおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。


 日が暮れ始めた頃、おばあさんは家に戻り、おじいさんの帰りを待っていました。夕飯の支度をしながら、ふと思いました。


「最近、おじいさんの帰りが遅いなぁ」


 やがて、玄関から「ただいまー」という声が聞こえました。


「おかえりなさい」とおばあさんが迎えに行くと、おじいさんの周りに甘い香りが漂っていました。


「この香り...」おばあさんは目を細めました。


「香水の匂いね」


 おじいさんは慌てふためきました。


「いや、これは...山で咲いていた花の香りだよ」


「嘘おっしゃい!」おばあさんは怒り心頭でした。


「あんた、若い子と密会してたんでしょう!」


「違うんだ、違うんだ」おじいさんは必死に弁解しましたが、おばあさんの怒りは収まりません。


「出ていきなさい!もう二度と戻ってこないで!」


 おじいさんは肩を落とし、とぼとぼと家を出ていきました。行く当てもなく、暗い夜道を歩いていると...


「そこの老人、私と鬼ごっこをしないか?」


 振り返ると、月明かりに照らされた白い肌の美しい女性が立っていました。その瞳は赤く輝いています。


「え?鬼ごっこ?」おじいさんは困惑しました。


「そう、鬼ごっこよ」女性は艶やかな声で言いました。


「あなたが逃げて、私が追いかける。簡単でしょう?」


 おじいさんは状況が飲み込めないまま、とにかく走り出しました。しかし、その女性の動きは尋常ではありません。一瞬で追いつかれ、おじいさんは首筋に鋭い痛みを感じました。


「ぎゃああああ!」


 その叫び声を聞いて、おばあさんが家から飛び出してきました。


「まあ!」おばあさんは目を丸くしました。


「あんた、吸血鬼に襲われてるの?」


「たすけてくれ~」おじいさんは必死に叫びます。


 おばあさんは急いで家に戻り、おじいさんの芝刈り鎌を持って出てきました。


「はぁっ!」おばあさんは鎌を振り回し、吸血鬼に立ち向かいます。


 吸血鬼は驚いて後ずさりしました。


「ちょ、ちょっと待って!私はただ遊びたかっただけよ!」


「遊びって、人の血を吸って!」おばあさんは容赦なく鎌を振るいます。


 吸血鬼は逃げ出しました。


「ごめんなさーい!もう二度とここには来ませーん!」


 おじいさんとおばあさんは、呆然と立ち尽くしました。


「...ごめんね」おじいさんが小声で言いました。


「本当は山で若い娘に香水をもらっただけなんだ」


 おばあさんはため息をつきました。


「もう、しょうがないじゃない。家に帰りましょう」


 そして二人は、肩を寄せ合いながら家路につきました。おじいさんの首筋からは血が滴り、おばあさんの手には血に染まった芝刈り鎌。


 月明かりの下、老夫婦の影が長く伸びていました。

プロンプト

「むかしむかしある所におじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。夜、おばあさんはおじいさんの帰りを待っていました。「ただいまー」。おじいさんは帰ってきました。しかし、香の匂いがする。不倫だ。おばあさんは怒っておじいさんを家から追い出しました。とぼとぼと不倫相手の家に向かうおじいさん。しかし...「そこの老人、私と鬼ごっこをしないか?」。そいつは吸血鬼だった。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

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