表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/601

『ヴァンパイア・リローデッド』~工藤デッド?~

 東京の夜は静かだった。いや、静かすぎた。


 俺、工藤は深夜のコンビニでバイトを終え、帰路についていた。そんな時だった。


「おう、兄ちゃん。ちょいと鬼ごっこせえへんか?」


 振り返ると、そこには尖った牙を見せてニヤリと笑う男がいた。吸血鬼だ。しかも、関西弁を話す。


「え、えっと...」私は言葉を詰まらせた。


「なんや、びびっとるんか? ほな、先に逃げてや。追いかけたるで!」


 私は即座に走り出した。頭の中では様々な思考が駆け巡る。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げ切れば勝てる。でも、そんな簡単に逃げ切れるわけがない。


 そんな時、前方に見覚えのある姿が。


「タクヤ!」


 親友のタクヤだ。助かった!


「工藤? どうしたんだよ、こんな夜中に走って」


「いや、実は...」


 説明する間もなく、背後から吸血鬼の声が聞こえてきた。


「おっ、もう一人おるやんけ!」


「タクヤ、逃げろ!」


 だが、遅かった。吸血鬼はタクヤに飛びかかり、首筋に牙を立てた。


「タクヤ! 大丈夫か?」


「...なんや...工藤」


 ゆっくりと顔を上げたタクヤの口から、関西弁が漏れた。


「くそっ!」


 私は全力で走った。バイト先のコンビニなら、なんとか...。


「店長!」


 ガラス戸を開け、店内に飛び込む。


「なんや...工藤」


 がっくりと肩を落とす。店長までもが関西弁を話していた。


「せやかて、工藤。吸血鬼も悪くないで?」店長が笑いかける。横にはタクヤ。後ろには例の吸血鬼がいた。


「冗談じゃない! 俺は東京生まれの東京育ち。こんなエセ関西弁なんて...」


 その時、朝日が差し込んできた。


「ぐぁあああ、次や!つぎやぁぁぁ」


 吸血鬼は悲鳴を上げ、煙になって消えていく。タクヤも店長も、元の姿に戻った。


「お、おい工藤。なんだ、今の...」タクヤが困惑した表情で尋ねる。


「いや...なんでもない」


 私は疲れ切った様子で答えた。


(そういえば、次って言ってたなアイツ)


 これから毎晩、関西弁を話す吸血鬼から逃げ回るのか。東京の夜は、もう静かではなくなった。


 しかし、不思議と恐怖は消えていた。代わりに湧き上がってきたのは、ある感情。


「くそ...なんで、ちょっと楽しみにしてんだよ、俺」


 そう呟いて、私は朝日の中を歩き始めた。明日の夜が、少し待ち遠しかった。

プロンプト

「場所は東京、夜中に関西弁を話す吸血鬼と遭遇した私こと工藤。吸血鬼は私に対して鬼ごっこを提案する。私は夜に吸血鬼から逃れるために、思考を巡らせる。吸血鬼の弱点は日光。朝まで逃げれば勝てる。しかし、逃げきれる保証はない。そのとき、友人と出会った。「助かった」。しかし、安堵もつかの間。東京出身の友人は吸血鬼に襲われてしまう。「大丈夫か?」。「なんや...工藤」。友人が関西弁をしゃべる吸血鬼になってしまった。必死でバイト先に逃げる。「店長!」。「なんや...工藤」。店長も関西弁吸血鬼になっていた。「せやかて、工藤。吸血鬼も悪くないで」。くそ。似非関西弁をしゃべる吸血鬼になんてなるものか。このプロットを元にシリアスコメディ短編小説を書きましょう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ