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「好きだ」と言えない

作者: けーあーる

ある日、少年はある少女に恋をした。クラスのマドンナ的存在でもなんでもない、ごく普通の少女だった。そんな少女に恋した少年は勉強ができなく、運動もそこそこ、でもゲームだけは自信があった。反対に少女は勉強ができ、運動もできる人だった。そして、毎日ゲームだけが生き甲斐の少年を変えたのがこの少女だった。少年はこの少女と一緒に恋をしたいと思ったのだ。それは少女と出会って半年経った時だった。今まであまり女の人と話したことがなかった少年に少女は優しく声をかけてくれたのだ。こんな些細なことでも少年は嬉しかった。けどこんな出来事が少年を変えた。ここで少年に火がついた。毎日コツコツ自分磨きをして、いつか少女と「恋がしたい」という目標を立てた。そこから少年は毎日コツコツ自分磨きをした。まずは外見から、お風呂上がりにヘアケアをしたり、化粧水を塗ってみたり、今ままでしたことがないことにたくさん挑戦した。そんなこんなで約半年が経っていった。この半年間でLINEを交換して毎日話せるくらいまで仲良くなっていた。少年は、

「これもしかして…」と思いながらもその気持ちをグッとそんなことないよなと言い聞かせながら抑えていた。そしてある時、修学旅行のお土産を交換しないか尋ねられ少年はオーケーをした。一週間後の夜会おうと言われた。少年は胸がドキドキだった。言わずともわかるだろう。この一年で少女のために一生懸命自分磨きをしてきた。その成果を発揮するのはこの一週間後しかないからだ。でももこの子と恋が出来るのかなという気持ちがあった。それからすぐ一週間後の今日がきた。あと30分で待ち合わせの時間だ。心臓のドクンドクンという音がハッキリ聞こえるくらい高鳴っていた。お腹が痛い。緊張する。今まで体験したことのないくらい少年は不安で仕方なかった。そして集合5分前。集合場所についた。そこには少女の姿もあった。

「まった?」と少年がたずねる。

「ううん、いまきたところ」と少女が言う。少年はタイミングを見計ろうと気を遣いながら話していた。そしたらあっという間に時間が過ぎ2時間ほど立ち話をしていた。少年は完全にタイミングを見失った。そして、

「もう時間があれだから、私そろそろ帰るね」

と少女が言った。少女が向こうを向いてもう行こうとしている。そこで、もうここしかないと思った少年は、

「待って!」と少女に言った。少女は何だろうとこっちを振り向く。少年は頭が真っ白になった。何を言えば良いのか何をすれば良いのか分からなくなった。けど少女が目の前で話しかけているくれているのは分かる。心配してくれているのだろうか。こんなとこでも自分はダメなやつだなとおもった。もう謝って帰ろうと少年はした。でも少年は過去の自分を思い出した。今までの自分の努力はなんだったんだ。この少女と恋をするために頑張ったんじゃないのか?と。そこで目が覚めた。少年は少女に目を見て言った。

「この約1年間、あなたと一緒に恋をすると言うことを目標に過ごしていました。あの時からずっとあなたのことが好きでした。僕の人生の半分をあげるので君の人生の半分を僕にください。」と。

すると少女は、びっくりした表情を一瞬して、少し沈黙があった後、

「はい」と今度は泣き顔を見せながら言った。気づいたら少女だけではなく少年も泣いていた。今までの努力は無駄じゃなかった。努力は報われるんだと思った。この日の夜、月の下で少年と少女は幸せのひとときを過ごした。そしてこれからも幸せを育んでいくだろう。


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