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《 刀 》



      ほんの先刻まで、

      この女を可愛いと思っていた。



      俺の体の下で 小さく大きく揺れ続け、

      眉を寄せ 妖艶に顔を歪めながら、

      ぽってりとした 柔らかな唇を開け、

      耳を澄ましていなければ、

      聞き逃す程の 吐息混じりの声で、



      他の男の名を呼ぶまでは。



      刹那 血の巡りが逆になった様な感覚。



      それでも女に深く口づける。



      この口を 他の奴でなく、

      俺の所有物にする為に。 



      潤んだ瞳は 俺を見ながら、

      他の男を映していて、

      俺は この女の瞳の中の、

      見知らぬ男の姿を見つめている。



      面白いじゃねぇか…



      その男を 斬り刻み、

      女には 俺という男を、

      壊れるまで刻み込んでやる。



      濁った笑いがこみ上げて、

      俺は心の中で 刀を研ぎ始めた。







          《 唇 》



      貴女の唇が欲しいから、

      優しく優しく奪っていいですか?



      形の良い顎に指をかけ、

      少し顔を上向かせれば、

      貴女の瞳は、

      戸惑いと、

      恥じらいと、

      期待に潤んでる。



      艶めいた唇に、

      僕の唇をそっと重ねたら、

      貴女の唇は少しだけ震えていました。



      何よりも大切な愛しい人。



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