《 密室の海 》
密閉された空間の……
その 海に浮かび……
見上げれば……
明かり抑えたライトの光り……
まるで 薄黄金色の月光に
照らされて……
その光りの中で 泳ぐ時……
白いシーツの海面に……
肘 伸ばし 腕を広げれば
小さな波が生まれ……
膝 曲げて 脚で弧を描けば
大きな波が生まれ……
波間に身を起こすと……
肌の上の雫は 形を変えて
滴り落ちて……
シーツの海に 吸い込まれ消えてゆき……
伝い落ちた水滴の 渦の中……
再び 身を埋めれば……
貴方という海水に体を包まれ……
感じる重みと揺らぎ……
密かな海で泳ぎ……
泳ぎ続けて 息つぎして……
息を吸い 泳ぎ続けて……
息を吐き 泳ぎ続けて……
腕 広げ……
脚 弧を描き……
泳ぎ続け 息をして……
雫を滴らせ 泳ぎ……
泳いで 雫滴らせ 呼吸して……
泳ぐ……
泳ぎ充ち、
余韻に蕩けて、
海水に浮かびながら眠るまで。