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《 夢心地 》
12月の喧騒を遮断した密室で。
貴方の両手が 私の両頬をそっと挟み
重ねた唇の間から
貴方の舌は 私の舌に絡みつき
柔らかな動きには
逃がさないという貴方の強い意志が籠り
込み上げる快い昂りの私の声は喉に籠り
唇が離れた瞬間に
快さは体中を駆け巡り
貴方の唇は
私の耳をなぞって 舌先が潜り
首を這い滑り 鎖骨へ
腕の内側から 指先に
肘に戻り 腕の付け根へ
胸の横を這い進み 腰に辿り
脚まで這って 太ももの内側を舐め
膝の後ろに手を添えて
持ち上げられた足の爪先を口に含み
その頃 私の啼き声は宙を舞い散って
足の指に舌を絡ませ
啼く私を見る貴方の瞳は煌めいて
その瞳を見返す私は更に啼き
啼き続ける私を
貴方の唇と舌は撫で続ける。
束の間が
永遠の様に感じる夢心地で。