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《 猛禽 》
まるで木の実しか 食べないような穏やかさ。
けれど瞳は熱を持つ。
獲物を見つければ 躊躇う事なく一気に捕らえに行く。
肉食鳥類の その鷲が空腹である事を渇望する私。
まるで全ての肌を晒して 野原に寝そべるように…
私を 補食しに来るのを待っている。
鋭い爪と嘴で 私の肉を引き裂いて欲しい。
多分 艶々と潤い脈打つ内臓は すっかり熟してるから。
まるで大空を舞う 黒い鷲のような貴方。
空腹に血を滾らせて 私を食べに来て。
《 黒鷲 》
唇と舌を喰い千切り、
乳房の脂肪をすすり、
脚の間の肉を裂き、
子宮を引きずり出して丸飲みする。
嘴を私の血で汚しながら。
そんな交わりで、
唯の肉塊になった私の頬を涙が伝う。
私の体が貴方の血と肉になり、
融合する。
一つになれる その極みの交わりに、
悦びの涙が、
肉塊になった私から流れ続ける血と混ざる。