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第11話 守りたいものがある

トマスがカミエル様に突っ込んでいった。


トマスとカミエル様が戦い始めた。俺たちも応戦しようとしたが、入る隙がなかった。


トマスが2本の槍を器用に使いこなしている。


一方、カミエル様は薙刀をかまえている。あれも神器だろうか、カミエル様の周りを小さい物が回っている。その小さい物は、剣の形になってトマスの攻撃を防いでいる。トマスはいくら攻撃してもカミエル様に近づけなかった。


すると、トマスはカミエル様を一旦あきらめ、後ろへ飛んでいった。それを阻止しようとカミエル様もさっきまで剣だった物を集め、今度は羽の形にして飛んでいった。


今度は空中戦が始まった。2人の動きは凄まじく速かった。


「あなた、しつこいですね!」


「なら、終わらせてあげる。雷撃」


トマスに強力な雷が直撃した。トマスは勢いよく地面に叩きつけられた。その瞬間、みんなから歓声があがった。


「まだだ!巨神」


カミエル様の後ろに巨神が現れ、カミエル様が薙刀を突き刺す動きをすると、巨神も同じ動きをして大きい薙刀がトマスに突き刺した。


今度こそは、カミエル様も含めみんなが倒したと思った。


「んふふ…」


トマスが不気味な笑い声を挙げた。トマスは巨神の薙刀を受け止めていた。すると、トマスは巨神の薙刀を押し返してしまった。


さすがのカミエル様も力を使いきったのか、地面に降りてきた。


「大丈夫ですか?」ウィクトルのみんなが駆け寄った。


「ありがとう、みんな。私は大丈夫」


そう言うものの、ずっと座っていた。


「これで終わりですか?では、攻守交代といきましょう」


トマスが宙に浮かんだ。するとトマスの周りのに無数のゲートが現れた。


「攻撃がくるぞ!」カミエル様の言葉にみんな守りに入った。


「皆様がここを去らなかったことを後悔しながら死んでもらいましょう。インフィニティ」


無数の槍が出現し、ものすごい速さの槍の雨が俺たちを襲った。


「グラビティ・シールド」いつもより範囲を広くし、防御したが軌道は変わらなかった。


みんなもクリスタルの力を使って防御しても意味がなく、みんな槍に刺されてしまった。


ウィクトルのみんなは、カミエル様が飛ぶときに使っていた羽を今度は盾にして守ってもらった。唯一、槍の攻撃を防御できたのがカミエル様だった。


「カミエル姉無理しないで!」ナタが心配していた。それもそうだ。さっきまで一人でトマスと戦っていた。クリスタルの力はほとんど残っていないはずだ。


突然ルナの悲鳴が聞こえた。ルナの方を見るとルナの左腕がなくなっていた。


「心配しなくていい!カミエル様が限界かもしれない!」血が止まらない腕を押さえながら叫んでいた。


「止血しろ!」と言いたいのにショックで声が出なかった。


「私、止血しに行く」ヴェスタルが盾とともにルナの方に向かったが、ヴェスタルは脇腹を刺されてしまい倒れしまった。


みんな仲間のために頑張っている。なのに、俺は何もできていない。そんな自分が悔しかった。


「神器・進化」とナタが言ったのと同時に、3体のウルフが合体した。合体した姿は、頭が3つあるケルベロスになっていた。


「荷電粒子砲!」


ケルベロスが発射態勢に入った。3つの顔それぞれが口を開け、エネルギーをためていった。


「発射!」と同時に3つのエネルギーが1つに合わさって光の速さでトマスに向かっていく。


トマスに荷電粒子砲が直撃した。トマスは地上に落ち、攻撃が止んだ。トマスはよろめきながらも、立ち上がった。


「荷電粒子砲…対策しておかなければなりませんね…。私をここまで追い込むとは…さすがカミエル様とその直属の部隊……」


トマスは落ちていた槍を拾い、投げた。槍はナタに向かっていった。ナタをかばうようにケルベロスがナタの前に立った。槍はケルベロスを貫通し、ナタに刺さった。


「ナタ!」ラムダが呼ぶと、すぐに返事が返ってきた。


「肩に刺さっただけだから…油断しないで…」


「ごめん…もう………無理…」カミエル様の限界がきてウィクトルのみんなを守っていた盾が消えてしまった。カミエル様は足に力が入らず座ったままだった。


トマスは次々とまだ動ける隊員を襲っていった。すぐに、俺のところにもやってきた。残っている力を振り絞って戦ったが、すぐに吹き飛びされ背中を打ち気を失ってしまった。


目が覚めると、マークとミールがトマスから必死にカミエル様を守っていた。動けているのは、その2人だけだった。


トマスも疲れが出てきたようで動きが遅くなっているが、2人の方が疲れているようだった。なんとか戦えていた2人だったが、トマスに吹き飛ばされてしまった。


「四天王を殺せば…、人類に未来は…ない。そうすれば、邪魔者がいない我らの世界ができる」トマスがカミエル様の顔の前に槍を突きつけている。


『俺は好きな人も守れないのか?』悔しいを通り越して、自分に腹がたった。『もう…誰かを失うのは嫌だ…』


「ごめんね……約束…守れなかった………」カミエル様の声がイヤホンから聞こえた。


その瞬間ある記憶が頭をよぎった。


『ごめんね、約束守れなかった』


スマホに送られてきたお母さんからの最後のメール。メールが送られたのは侵入者が研究所を襲った日。お母さんは、俺の誕生日家に帰るはずだった。


「殺す…殺す…殺す…大事な人を奪う奴は全員殺す!」


今残ってる力を振り絞ってクリスタルをまた発動させた。


「ゼロ・グラビティ」


体にかかる重力をなくし、凄まじい速さでカミエル様のところに向かい、すかさず剣でトマスを斬った。が、槍で受け止められてしまった。


俺は怒りにまかせながら、攻撃を続けた。トマスは攻撃を受け流しているが、少しずつ後ろに下がっている。


トマスは隙をみて攻撃を入れ、俺は避けたためトマスと距離ができてしまった。トマスはその間に逃げようとした。


俺は地面を力強く蹴り、宙に浮かんだ。


「逃がさない!グラビティ・ボール」高密度で強い重力のボールを無数に生み出し、トマスに放った。


グラビティ・ボールはトマスに当たり、当たった箇所には貫通して穴が空いていた。


「や…やめてくれ…」


「何を言ってる、お前がどれだけの人を痛めつけたのかわかって言ってるのか?」『もっと高密度で強い重力を持つグラビティ・ボールを生み出す!!』


どこかで、ピキッとガラスにひびが入ったような音た瞬間、俺の上の時空がゆがみ始めた。空間はどんどんゆがみ黒い球体が生まれた。『これは…!』


「終わりだ!地獄に落ちろ、トマス。ブラック・ホール!」


ブラック・ホールはトマスを吸い込み始めた。トマスは必死に逃げているが、どんどん吸い込まれていく。それでもトマスは必死になって逃げようとした。完全に吸い込まれそうになった時、左目に激痛が走り左目が見えなくなった。それと同時にブラック・ホールは消滅した。俺は地面に落ちた。


「ルシファー君、ルシファー君…」俺の名を呼ぶカミエル様の声が聴こえた。が、その声はだんだん遠のいていった。


悲惨な戦場には朝日が照らされていた。

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