風船と唇
風船、さいきんふくらませてません。
こんなでっかい空のした
こんなちっぽけなぼくでしかないなんて
下唇をかみしめてたあなただけど
どこまでも浮かんでいこうって
あんなに希望でふくらんでいた風船を
見る影もなく しぼませてしまう空なんかより
またふくらむように また浮きあがれるように
息を吹きこんであげられる唇のほうが
あたしは好きだよって言って
あなたの 下唇をぎゅっとかみしめてた
その前歯をこじあけてみせたあと
ひらいた唇に とびっきりのキスをした
あなたの唇にふれたから
あたしの胸のなかでも
なにかがふくらんだ気がしたのは
あたしのかんちがいかな?
肺活量!