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祝勝会が終わり、次の日。


「おはようじゃーん?」

「お前それ挨拶にもつくのか」


いつもの酒場に俺と“四極”が集まっていると、ミーンがやってきた。

依頼掲示板に用があるようで、俺達の脇を通り過ぎて、依頼を物色する。

ちなみに、森に関する依頼は全てギルドによって取り外されているので、平原か、少し遠い狩場の依頼しかない。


「うーん、これにしよっかな。うん、ハルゥにも見せてこよ!」


1枚の依頼書を手に取ったミーンは、じゃーんと言いながら酒場を後にしていった。


「あれ、あの2人って、まだアオマキ村にいるの?」


エフテルが訊ねる。

そうか、こいつ酔っぱらってて聞いてなかったのか。


「2人は少しの間アオマキ村を拠点にするそうだぞ。まあ、俺達と一緒に狩りに行ったりすることはないだろうから、あまり気にすることはないさ」


今までのレイとルミスみたいなもんだ。


「へえ、そうなんだ。まあ、色々教えてほしいこともあるし、ちょうどいっか」


エフテルとアルカには、それぞれ先輩から技術を学ぶように言ってある。


「師匠が教えてよ」


と言われたが、口で説明するにも限界がある。やはり、実際に武器を振れる人間からしか得られないものはある。


「で、集まりはしたけど、どうするんだ?森、入れなくなっちまったら俺らの仕事ほとんどねえよ」


コウチが言う通り、森の立ち入りはギルドによって禁止されている。

理由は公になっていないが、俺達は知っている。半透明の竜の影響だ。


「草原に出てきた獣を狩るにしても、限界はありますわよね」

「それに、もうすぐ昇級できそうだったのに、格下ばっかり狩ってちゃあ実績にならないよ!」


まあ、本当に皆が言うとおりなんだよな。

いっそのこと、ヒシガツマ村にでも行こうか…。

と、考えていると、ウエカ村長が俺達の卓に近寄ってきた。


「困ってるね?」

「おう、困ってる」


ウエカ村長は全てを知っている人間の1人だ。

専属狩人であるがゆえ、あまり遠くには行けない。だがそうすると危険度3程度の獣しか狩る対象がいない。

その悩みを直接ぶつけてみた。

すると、案外簡単に遠出の許可が出た。


「あんまり連続しなければ、多少遠征してもいいよ。もうすぐギルドから森に人が派遣されるだろうし、ある程度治安は守られるでしょ」

「お、まじか。村長の許可がもらえるのは助かるな」


そうすれば、氷河や火山地帯など特殊な環境にも足を延ばすことができるし、素材の収集もできる。


「あ、でも、今すぐじゃないよ。ギルドから人が来るまでは、申し訳ないけど、もう少しだけ休んでてほしい」

「それもそうか」

となると、10日くらいは…大人しくしとくか。

「よし、久々に基礎練習とかするか。筋トレとかしてなかったし」

「えーーーーー!やだーーーーー!!」


一番スタミナがないエフテルが騒ぐ。

筋力の無いアルカも首をブンブン振っている。


「そこまで喜んでくれると、鍛え甲斐があるなあ…」


目一杯いじめてやる。


「あ、そうだ。我らが狩人君の耳には念のため入れておこうと思ったんだけど」

「ん?」


去り際に村長が声を落として言う。


「ヒシガツマ村周辺の砂漠でも、魔物が観測されなくなったらしい。シタコから連絡があった」

「…そうか」


結局、アオマキ村の森で魔物が見つからない理由も良くわからないし、その結果の弊害もあまりない。精々魔燃料の確保に手間がかかるくらいか。

しかし俺は、魔物の出現と、例の危険度7の獣の出現には因果関係があると考えている。

砂漠に移動したのか…?


「まあま、そんな怖い顔しないでさ、今はただ、それだけの情報しかないんだから」

「…そうだな。気にし過ぎも良くない」


それにヒシガツマ村には頼れる専属狩人ロンタウがいる。

アイツがいれば、大抵のことはなんとかなるだろう。

それに、


「危なくなったらいつでも助けに行く」


と、アルカが言う。

専属狩人決定戦の勝者だけあって、あのアルカでもヒシガツマ村には思い入れがあるようだ。


「そうですわね。すぐ傍にある村ですし!」


俺達にとって、ヒシガツマ村は第2、第3の故郷みたいなものだ。危機があるなら、すぐに駆け付ける。


「よし、そのためにも、まずはトレーニングだな」


俺は手を叩いて立ち上がる。


「カーリ!余計なこと言うから!」

「え!?わたくしですの!?」


こうして今日も“四極”の日常が始まる。

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