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寂しさ  作者: 冷凍槍烏賊
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 この世界は空しすぎる。何もかもが味気なくて。


 「本物」をずっと探していた。

 わかったことは、僕が「偽物」だということ。



 張りぼての天国。入場チケットはまだ持っている。

 もっといい世界が見つからないから捨てられないんだ。

 しわしわになってる。握り締め過ぎたから。



 この世界は空しすぎる。何もかもが味気なくて。


 心は冷えて。シロップは固くなった。

 靴の底のガムがへばりついて。


 生きることがこんなにも厭わしいことだと知らなかったのは私が愚かだったからなのか。

 それとも私が幸せだったからなのか。



 自殺丘。並木道にひとりずつ。ぶら下がっている。

 彼らは泣いている。笑いながら。彼らは死んでいる。生きながら。

 生と死の交差点。ねぇ、君は知らなかったのか。


 自殺者はひとり残らず犠牲者だって。彼らは供物であり、新しい扉を開くための生贄だって。


 その丘の先に何がある? これだけたくさん殺して、その先にあるのは? 天国ではないことだけは確かだね。


 そうだね。



 きっとそれはとても邪悪な。

 祝い、笑うべき。私たちの愛すべき終末。

 この世がいつか終わってくれる。すべての痛みが消えてなくなって恥とともに洗い流される。

 私たちの生きている意味がなかったことが証明される。

 ひとりのこらず。

 一切の例外を許さず。

 私たちは死に絶える。


 そこではじめて彼らは救われるであろう。


 そうでなければあまりに悲しすぎるから。

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