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あなたは必要ない
まだ青い街路樹から、虫に食われた一枚の葉が落ちた。
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)
打ち捨てられたペットボトルのラベル。
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)
蹴飛ばしたアスファルトの破片。
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)
生きるのは苦痛だという誰かの微かな声。
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)
たとえば悲しみが空を覆ったとして、それを雨としか呼べない私たちの言葉は、なんと無力なことか。
天から何かが落ちてくることも、地上のものが天に召されることもなくなった時代に、私たちはいったい何を望むというのだろう。
この世の一切は、天界のものとの比較によって価値を与えられたというのに、今や穢れた地上しか残っていない。
(天界は、私たちが生まれる前に燃やし尽くされました)
理性の青い火が私の心を冷たくしたのは
自分を燃やしてしまわないようにするためだったのでしょうか
たとえそうだったとしても、自分で自分の身を燃やすこと以外に、この身体に使い道などあるのでしょうか
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)
心は解体されています。
だから、心のままに生きることなどできないのです。
(あなたは必要ない。あなたは必要ない)




