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月
もっと弓を引き絞る必要があると言った。
そうするだけの用意はまだ整っていないけれど。
自分の役割に集中することと、他人の役割を理解することを両立させるのは難しい。
でもそれを必要とするのが自分の役割であるのなら、期間を分ける必要があったのだ。
今の自分がどの地点にいるのか、なんとなくわかっている。
周囲には誰もいない。相対的に見ることのできるのは、過去と将来の自分だけ。
生きることが苦しいのは今に始まったことじゃない。
暴力的衝動。
マシな人間として生きること。
自分にしか成し遂げられないことを為すこと。
その両方を求めてきた。前者は消極的に、後者は積極的に。
別にそれを間違っているだなんて思ってない。それが自分らしいと思ったから。うまくいってもうまくいかなくても。それはきっと偶然だろうと思う。
私の愛がいつか月に届くのであれば、それを燃やして灰にする価値もあることだろう。




