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寂しさ  作者: 冷凍槍烏賊
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つかれ

 なんとなくわかった気がする。


 この世で生きていくということが。


 自分の不要な部分を削り取って、必要なものを加えていく。

 そうして何かに適した違う自分になっていく。


 その過程はきっと苦しいけれど、新しい自分への期待感と欲望とが混ざり合って、新しい誇りになるんだよね。


 私が思っているよりも、成功している人たちは、自分自身を追い詰めている。

 血のにじむような努力、というのは少し違う。ただ必死であるというだけ。自分の全部を一か所にベットして、手を固く結んでじっと見つめているという、そういう感じ。


 目指すべき場所が最初から決まっている人は稀。いや、死ぬまでの間に一度でも決められる人だって、決して多くない。

 ほとんどの人は、どうなるべきかは知らないが、今どうすべきかはわかってる。だからそうする。その連続で、少しずつ変わっていく。

 生きていくので必死で。


 乗ることも降りることもできない私。

 何もかも面倒くさくて。


 物語を書くことをやめようかなと思った。

 上手にできないから。


 でも人と心を交わしたい。

 物語なしには伝えられないことがたくさんあって。

 もし好きな人ができたら、その人に向けていろんな物語を書きたいと思う気がするから、そのための訓練として書き続けてきたような、そんな気もする。


 でも、自分の気持ちを伝えるためだけに、人生のほとんどをつぎ込むのは、馬鹿みたいじゃないかな。

 他人の気持ちを受け取るためだけに、そうするのも。


 わかってほしいと思わなくなっていく。

 もっといえば、わかってほしいと思える複雑な気持ちを失っていく。

 多分、生きていくのには必要ないから。ない方が、きっと楽だから。

 でも生きていくこと自体に価値が感じられないなら。それ以上のものを求めているというのならば。

 わざわざここにあって私を慰めてくれるものを捨てる理由はないような気がするんだな。


 私は捨てらんない。

 自分のだめなところ、変えらんない。

 そのくせ、そんな自分を愛そうという気にもならない。

 自己肯定も自己否定もせず、なんとなくの不快感と絶望感を感じながら、もうこのまま死んでいくほかないのだなぁと思う。

 愛される自分になろうとしなかったら、誰にも愛されないし。

 成功できる自分になろうとしなかったから、成功する機会も与えられない。

 私は私を定義することをサボったから。

 誰からも定義されなかったし、その機会があっても拒んでしまったし。


 だからもう、左上のゴミ箱以外何もない真っ黒なデスクトップが私の存在そのものを喩えているような、そんな気がするんだな。


 夢を見るのが好きなんだ。どんな夢を見ても、起きているときに感じるやるせなさと比べたら、意味があるような気がするから。

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