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寂しさ  作者: 冷凍槍烏賊
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海中に沈む

 橋の上から飛び降りて海に落ちた。

 痛くはなかった。体は軽かった。水の感触は暖かかった。閉じた口の中は少ししょっぱかった。


 海の中は夜なのに明るくてよく見えた。こんなに浅いはずないのに、底に何か光る球のようなものがあった。

 欲しいと思った。だから追いかけた。

 後ろから、銃声のような、何かがはじける音がした。誰かの笑い声が聞こえた。


 怖くはなかった。少し気になって、振り返ってみた。何もなかった。ただ水面の上は、いつものように、騒がしくて、自分の居場所などないような気がした。

 私は再び底に目を向けた。もう、光はなかった。欲しいものもなかった。

 でも、さらに潜った。底だと思ったところまできても、何にも触れられなかった。果てしなく、この道が続いているように思えた。

 暗く、黒かった。


 私はそれでも潜った。下に、下に。

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