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寂しさ  作者: 冷凍槍烏賊
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ふて寝

 愚か者の側に立っていたい。でも本当の愚か者ではいたくない。


 賢い人間や、よくできた人間と思われたくない。理由はわからない。

 同じように、金を持っているとか、恵まれているとも思われたくない。

 僕はもしかすると、誰かに感情を向けられたくないのかもしれない。好きだと思われることも、嫌いだと思われることも、うんざりしてしまったのかもしれない。

 僕は、僕という存在を、ある意味では「オブジェクト」として扱われたいのかもしれない。最近、ゲームのNPCを少し羨ましく思ったりもした。


 でも、考えることや、自由を手放したくはない。パスカルではないけれど、やっぱり僕は考える葦でありたい。ちっぽけで、誰からも認められない存在のままでいたい。それでいて、そのちっぽけな存在のまま、どんなに大きなものごともちゃんと考えられる存在でありたい。

 なぜかはわからない。でも今僕はそう思っている。


 僕は人間に対して、何が必要で、何が必要でないかわからない。何が得で何が損とか、何が幸せで何が不幸せとか。そんなの全然興味がない。と言ったら嘘かもしれない。

 僕は人間というのがどういう生き物なのか、少し興味を持っていた。今もそう。

 それに、僕という存在が、人間という集合の中で、どの辺に位置しているのかも気になる。出来のいい存在なのか、出来損ないなのか。あるいは、バグみたいな存在なのか、それとも一定数生まれるようにあらかじめ遺伝子か何かに決められて生まれる少数派なのか。

 気になる。探究したいと思うけれど、同時に「そんなことどうでもいいよ」と思う自分もいる。今は後者の方に天秤が傾いている。


 競争にうんざりした。この世界は、何をするにも競争が伴っている。競争がもたらすものにも利益はあるとか、わざわざ言う必要のないことだけれど、いちいち言いたくなってしまうのも、くだらない反論が頭に浮かぶから。それこそどうでもいいことなのに。

 もっと穏やかに、平和的に。何も考えず、適当に。そうやって生きられたらいいのに。

 僕らは競争や比較の中で生きすぎて、何をするにも、そういうことを意識してしまうんだ。そして、知らず知らずなうちに、自分が有利になるように立ちまわる。そんな浅ましさにうんざりする。と、同時に、そういった浅ましさを知らない人を軽蔑する。軽蔑して、悦楽を得ている自分を自覚して、さらにうんざり。

 うんざりの連鎖だ。こういうときはふて寝に限る。


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