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第二十二話 サラスとの特訓

 サラスは水を長い一本の剣の形にして振り回す。剣の中の水は流れていて振ると水が少し飛び、固形ってわけではないことがわかる。だからって何もヒントにならないけど。

 サラスは右手に剣を左手には水の球を浮かべている。


 僕は剣を構える。


「じゃあいつでも来て。」


 サラスが許可をくれる。

 

 ここで睨み合っても得れる情報はない。行くか。

 剣を顔の前に構えて走る。今警戒するべきは水の魔法。遠距離攻撃が来たら避けるなりはたき落とす。剣で応戦してきたらこちらもそれで戦う。近距離で何か魔法を使われたら離れる。

 

 サラスは僕が間合いに入るまで何もしなかった。ということは剣か近距離での魔法。

 この際魔法にビビっていられない。サラスの腹に目がけて剣を振るう。


 サラスはそれを剣で受け止め、そのままカウンターを仕掛けてきた。

 上から振り落とされる水の剣。

 僕は受け止められた剣では防ぐことが間に合わないと踏み魔法陣を作る。

 魔法陣が剣とぶつかるとそのまま砕けたが剣も弾かれる。

 

 その隙に一撃を入れようとしたがその時、今まで動かしていなかった左手を僕の脇腹に殴るように近づけ、持っていた水球を爆発させる。

 結果的に僕は吹き飛ばされた。かろうじて剣を地面に刺してダメージを抑えることができたが距離を取られてしまった。

 牽制程度に魔法矢を打ちながら近づこうと思ったが魔法矢に水球を飛ばしてくる。僕の魔法矢ではサラスの魔法には遠く及ばない。

 魔法矢はあっけなく壊れ貫通して僕の元にくる。

 魔法陣で防ぐが一撃で壊されてしまう。連続でそんなすぐに魔法陣を作ることはできない。それを知っているのかサラスはもう三発まばらに打ってくる。

 一つ目を避けても後続に当たってしまう。剣で撃ち落とすか。

 一つ目さえ落とせれば避けることは容易になる。

 そもそも剣で水の球など攻撃したことがない。

 その不安から僕は生半可な力では押し切られると判断し両手で水球を切った。

 

 見事、切ることに成功し勢いは殺せたがその水球に囚われすぎていたのか奥にもう一つ水球があることに気づけなかった。

 僕の顔にそれが当たり、水浸しになってしまった。


「はい!一旦、終了ー!」


 サラスはそう言いながら剣を消し、僕に近づいてくる。


「今戦ってみてなんか反省とか思ったこととかある?」


「うーん、あんまり考える余裕がなかったので思い返してみていいですか?」


 今回どうすれば勝てたのだろうか。

 魔法陣の強度?錬成速度?水球を片手で打ち返せないと思ったこと?

 いや、もっと根本的な話がある気がする。

 距離を取られたのが原因……。

 剣での撃ち合い?


「いろいろ考えたんですけど剣での撃ち合いで負けたことですかね?」


「ま、それで勝てたらそれはそれで別のはなし。ラヴァ?みてたでしょ?あなたは何かわかった?」


 え?ラヴァさん?

 振り向くと扉の所からラヴァが覗いていた。

 歩いて近づいてくるがその足取りはフラフラしていて顔もよくみると真っ赤になっている。

 そういえばさっき沢山お酒を飲んでいた。


「まぁそうだなぁ〜。お前……ビビってたよな?」


 え?ビビって……なんかないと……思う。


「ビビってないですよ。怖さはないですもん。」


「いや、サラスは怖くないだろ。俺が言ってんのは!人間に剣を振るうのが怖いんだろって言ってんだよ!」


 酔っ払っているせいか語気が強い。が、その発言自体正論かもしれない。

 

「うん、そうね。剣の振りが明らかに遅かった。私はあんまり剣を握らないから剣術にはさっぱり自信がないけどそれでも受け切れたもの。カルムくんは殺すことに怖がってる。幸い、魔族相手にはそんな節はないようだけど今のあなたが持っているその感情は今後の戦闘で大きく影響してくると思う。あなたの今の課題は怖がらないことね。」


 怖がらないこと……。どうすればいいのだろう。


「あぁ、なんだ。お前はまだ弱いんだから誰も殺せねぇよ。お前が本気で剣を振るってもそれにやられるやつなんてここにいねぇ。いろんな人を殺す気で斬れ。それが課題解決の近道だ。」


「うん!ここのみんなはあなたの頼みなら答えてくれると思うわよ。」


 なるほど……。殺す気で斬れ。

 そう言われていると確かに僕は怖がっていたかもしれない。僕には不要な悩み。


 魔族相手に問題ないのなら別にいいような気もするがこの人たちが言うなら良くないのだろう。


「わかった?じゃあ部屋に戻って早く寝な?」


 僕はサラスに言われ、剣を持って部屋に戻る。


 片付けをしているルレアとオッドくんが僕をみて「お疲れさま。」と労ってくれた。

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