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第十八話 再会


「ようこそ、私はここの管理を任せれたローズだ。これからよろしくな。」


 目の前にいる男が声を出す。

 ローズと名乗った男は年齢は多分三十後半か四十前半。服はウラハ帝国の割と高位な軍服。隊長ほどではないと思う。

 

「久しいな。ローズ。」


 そうか、ラヴァは元々軍にいてかなり高い地位にいた。年齢も同じような雰囲気がある。同僚とかなのだろうか。


「ラヴァじゃないか。どうしてこんなところに……ってお前のセリフか。あのことは他の子達には黙っているのかい?」


 あのこと?あ、そういえば自己紹介の時に言っていた気がする。あの時言っていたことがローズの言う『あのこと』なのだろうか。


「あぁ。まだ言ってないな。」


「言うつもりはないのかい?」


「気が向いたら話す。」


「ま、お前らしいな。」


「お前こそこんなところで何をしてるんだ?まさかお前もこの隊なんじゃないだろうな?」


「まさか。僕はこの地帯の管理を任されただけさ。いわば大家さんみたいなもんだね。もうあんなところには行かないよ。」


「そりゃそうだな。すまない。早々に世間話に更けてしまって。」


「あぁいいんだ。みんなにも紹介するがこの人はローズ・マレリア。少し前まで軍にいたんだが退職して暇そうなのを私が捕まえてここの管理を任せた。彼は軍事知識もあるし何より家事ができる。彼を選んだのはそれが理由だ。」


「ここの掃除に何時間かかったと思ってるんだ……。」


「ははっすまないな。」


 この威厳のありそうな男性は『家事ができる』という理由で強制的にこんな死地に行かせられたのか……。かわいそうだな。


「今後はとにかくこの人の指示に従ってもらう。俺は帰ってやることがあるしな。」


「安心して欲しいんだけどそんなひどい命令はしないからね。本部から来た司令に従って指示するがあまりにひどい時は僕がなんとか隠蔽する。」


「こんな感じでかなり信頼できる人物だから、君たちにも信頼してあげてほしい。」



 そこで今まで珍しく黙っていたルーファスが口を開く。


「俺たちは何をさせられるんだ?こっちに向かってきた奴を迎撃してればいいのか?」


「そういう日もあるだろうけど多分大体はこっちから出撃するんじゃないかな。僕として見晴らし台からリファイやサラスあたりに迎撃してもらうだけでいいと思ってるんだけどね……。おや、ルーファスくん君も迎撃には向いてそうだね。やりたい?」


「な訳あるか。まぁ、でも疲れたらそうするかもな。」


 

 僕たちはその後もいろいろな話をした。

 ローズさんは『人を見る』能力に長けており、独自の魔力の使い方で相手の筋肉や魔力の流れを感じ取ることができるらしく僕たちの役目はおよそ分かったようだ。その話をしてた時に僕を見て興味深そうな顔をした気がするが気にしすぎだろうか。

 そしてローズとラヴァの関係だが同僚でいいらしい。同い年で役職は隊長と副隊長。ラヴァが退職した後の隊長をしていたりと関係は深いようだ。

 そんな人物がなぜ軍をやめたのかはわからなかった。

 

 魔族と戦うのは明日かららしい。もうすでに戦ったから明日からではないような気がするけど……。

 

 

 その後、ウィリアムは本部に帰ると言って車で帰ってしまった。僕たちはローズにつれられてこの建物の案内をしてくれた。

 

 まずは一階。玄関に入ってすぐに右手側に階段があり、まっすぐ進むとリビングがある。リビングの奥にはさっきまでいたローズの部屋がある。リビングの階段の逆側には倉庫があり中はまだ見てないが本部からの支援物資の食料や武器、砥石などもここにあるらしい。

 リビングにはさらに扉があり、そこは外に繋がっておりそこからサザナミのいる小屋にいけるらしい。

 

 二階に上がってみると一階とは打って変わって廊下が続いている。

 脇には左手側に一個、右手側に二個、一番奥に一個扉がある。


「ここは君たちの部屋だね。部屋数がないから相部屋なんだけど部屋割り決めといてね。」

 

 

 僕たちはいろいろ話し合った結果、年齢も近くて話が合うだろうという理由で左手側の一個の部屋を僕とオッドくんとライアンに割り当てられた。

 そして女性陣二人は右手側の階段に近いほう、後は大人の男性陣五人で話し合った結果奥の部屋にシニスターとルーファス。女性陣の隣の部屋にラヴァとコキジとリファイとなった。


 

「これからはもう自由時間だ。日が暮れたら夜ご飯にするからリビングに集まってくれ。」


 

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