56)溟帖詞 潟肝嚢
ごずみっく! ほらぁ♡(くぱぁ♪)
──文化什弌年(西暦一八一四年)、江戸湾岸某所。
老人某「……ん? ……なんじゃありゃ? …………な、なんじゃありゃぁーーーっ!?」
【めいじょうし がたきもの】
木之枝野古松
且つ然江篠
仆様如何窺視
陀殊天
日陽輝が狩りの
浪瀬際
蝕咒の舐濫吸
摩擦栗丹
淤香漓発脂餓罹
漿漏垂益汁
雌小鈴紊々
嵎瀦紅楮に
弥澳爛随振り突
浅深貫慇辿
懊求悩乞つ暴猛
趨律威填
懇昵裏快詰め問
煮奔祭祀
逝婀吼蕩哢沸
噴癲い
軀徹る奮
音し娯鳴震
巴交濃甜
艶楽肉色宴
奇嬲悦能恍痲攣
Love&Craft〜♪
〔溟 メイ〕暗く黒ずんだ海。くらい、薄暗い。
〔帖 ジョウ〕石に彫った文を紙などに刷り取った物、転じて習字の手本。書き付け様の冊子・帳面。屏風。部屋の広さを表す単位(≒「畳」)。
〔嚢 のう〕物を入れる袋。袋状の器官・内臓。
〔篠 しの〕竹の1種、「篠竹」、細く群がり生える。篠竹で作った笛。
〔仆 ホク〕たおす、たおれる、ふせる。死ぬ、殺す。
〔窺 キ〕(物陰や隙間などから)うかがう、様子を見る、のぞき見る。はかる、たくらむ。
〔陀 タ〕ななめ、平らでない、けわしい。くずれる、やぶれる。梵語の音訳字。
〔殊 こと〕別々になる。異なる、違う。特別に普通とは違っている。特別にすぐれている。
〔蝕 ショク〕むしばむ、虫食い、少しずつおかしてゆく。日食、月食。
〔咒 シュ〕まじない、呪文、呪符。呪い、呪う。
〔濫 ラン〕みだり、みだりに、みだれる、むやみに、物事が道に外れてみだれる。水が満ちて外にあふれる。
〔淤 ヨ〕どろ、おり。泥などでふさがり流れがとまる。
〔漓 リ〕したたる、ながれる。しみこむ。
〔漿 ミ〕どろりとした液体。おもゆ、米を煮た汁。
〔紊 ビン〕みだれる、みだす。
〔嵎 グウ〕山のくま、山地の奥まったところ。すみ(「隅」)。
〔瀦 チョ〕水たまり、溜め池、水がたまる。
〔楮 チョ〕コウゾ、カジノキ、クワ科コウゾ属の落葉高木。
〔弥 や〕いよいよ、ますます。あまねく、ひろく行き渡る。
〔澳 オウ〕水が陸地の奥まで入りこんでいる地形。沖合い。水が深くなっているところ。
〔爛 ラン〕ただれる、煮くずれる。熟しすぎる、くさる。まっさかり。
〔随 ズイ〕追いしたがう、共におこなう。成り行きにまかせる、思うまま。
〔慇 イン〕ねんごろ、ていねい。
〔辿 テイ〕うかがう、さぐる、さがしながら進む、ゆっくり歩く。
【懊悩 オウノウ】なやみもだえること。
〔趨 スウ〕はしる、はせむかう、おもむく、目的を目指してゆく。
〔填 テン〕はめる、はまる、うめる、つめる、ふさぐ、空いているところをいっぱいにする。
【昵懇 ジッコン】慣れ親しむ、親しく交わる、打ち解けてつき合う。
〔奔 ホン〕はしる、勢いがよい、かけ回る。
【祭祀 サイシ】お祭り、祭典。神や祖先の霊をまつる事。
〔婀 ア〕たおやか、しなやかで美しい様子、動作が優美な様子。
〔吼 ク〕ほえる、大声でさわぐ。
〔蕩 トウ〕うごく、ただよう、ゆれうごく。のびやか、ひろびろとした様子。しまりなく酒色におぼれる。
〔哢 ル〕さえずる、小鳥がなく。
〔噴 フン〕満ちあふれてはきだす、勢いよくふきだす。
〔癲う くる-う〕気がふれる。
〔軀 ク〕からだ(「躯」は略字)。
〔徹る とお-る〕ゆきとおる、つらぬきとおす。始めから終わりまで行う。
〔奮 フン〕ふるいたつ、元気をだす、気持ちをはげます。
〔震える ふる-える〕
〔巴 ハ〕ともえ。とぐろを巻いた蛇を型どった字。
人魂、勾玉の様な形の紋様を複数円形に配置した紋章。そこから転じて、物が円を描く様にめぐり動く様子。
〔甜い あま-い〕甘い
〔艶 エン〕つや、つややか、あでやか、なまめかしい、色気がある。
〔恍 コウ〕うっとりする、ぼんやりする。かすか、かすかに、ほのか、ほのかに。
〔痲 マ〕しびれ、しびれる。
〔攣る つ-る〕ひきつる、筋肉が急に収縮する。




