5)きじょうこうはいせいじょうにきす
【机上考配青丈に帰す】
先輩は顔を上げ、伸びをしながら僕に流し目をくれる。
「今日はこんなところかな。どうだい、ひとつ付き合ってくれないか? 」
僅かに口角を上げた不敵と言う表現がぴったりの表情に、僕は頬が熱くなって来るのを感じながら勢い込んで応えた。
「勿論です! 」
「ふふ、意気軒昂だね。これは期待出来そうだ」
すらりと立ち上がった先輩。射抜く様な眼差しに見下ろされて、僕の胸の高鳴りはいや増すのだ。
赤裸々に 溢るる起情 意のままに
恋心跳ね声も 弾む高らか
「ん? どうした? まさか遠慮しているのかい? 」
先輩が笑いながら僕を煽る。口惜しいけど僕はもう一杯一杯だ。なのに、先輩にはまだ余裕が見える。僕は懸命に……。
「そうだ、いいぞ! 本気を搾り出して見せろ! 」
紅顔を 染めて好張意 息荒く
突いて掛かかるを 愛けて嚶じて
「うん、なかなかだった。頑張ったな」
慈しむ様な微笑みが胸に刺さる。
「ま、まだです! もう一回お願いします! 」
縋る僕に目を軽く見開いて驚いた様子の先輩は、にっこりと笑って言った。
「いいとも。こちらも望むところだよ」
向かい期す 熱き誠魂 昂ぶりを
重ね勢盛 今飽かずまた
【悸醸交跳為精剰に喜す】