43)爻文 拠輪趣
狂歌、都々逸(弐番)、長歌(反歌壱首)、川柳、狂歌
〔爻 コウ〕易の卦を構成する基本記号、「ー」を「陽爻」、「−−」を「陰爻」と呼ぶ。交錯する、まじわる事を意味し表す字。
〔拠 コ〕頼みとしてすがる、たよる、もとづく、よりどころ。
〔趣 シュ〕心の向かうところ、目指すところ。おもむき、しみじみとした味わい。
参 24)うわき ほんき うばう
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洪涛を得て痙噴牡蛎葆洞の白沱垂りに
塗れる浦沮洳馬太の竿立ち
──嵐が過ぎた後の磯の趣きに感じ入り、穴場をかえて再び挑まんと逸り立つ。
「……こっちは、未だなんだよね? ……あのさ──」
「俺、欲しいんだ──」
「──いいよね? はじめて」
【こうもん こわす】
佳景脂廩大福
拏んで披露外
楚々る結目処這伏慄狗
奉口指柔小蕾に
熱仕込む太祁力
交月工門姦濫す
沼沂狭し煮
熟女緊軟肉刺掘
怒屹颯迫ば
与苛律 乞われ哢
衝毀威烈を
燬月工注連痛快
咲華芙 蠱惑姿態
狡問し哈捫汪溢努荒馼に
哮悶婀なる後孔酩恍紋
環月工 抜いて煌々 幸洶す都雅
──指から抜いた黄翡翠の指輪が金環食の月の様に輝く。心奪われ胸がいっぱいになる。
『……ふふ、こわされちゃった…………ううん、こわしちゃった、ね』
『……ねぇ、もっと──』
婚穢す故意 辜月工愛 忻怡滾沸す
疚忌更昂 綣隠の繆ち
──踏み外しては激しく燃え上がり深く堕ち行く。
【佼們 閤猥寿】
〔洪 コウ〕おおみず。おおきい。
〔涛 トウ〕なみ、おおなみ、波立つ。水や風などがうねりをおこす、その様子。
〔痙 ケイ〕つる、ひきつる、ひきつり、「痙攣」。
〔噴く ふ-く〕(気体、液体、火炎などが)勢いよく出る。
【牡蛎 カキ】ウグイス貝目イタボガキ科とベッコウガキ科に属する二枚貝の総称。
〔葆 ホ〕しげる、草木がむらがり生える。たもつ、守る。たから、宝にする。(車や旗竿につける)羽飾り。
【沮洳 ショ-ジョ】①低地で水はけが悪く、常に湿っていること。また、その土地。低湿地 ②牢獄、獄屋。
〔沱 タ〕水がしたたりおちる、水が流れる、その様子。
〔佳 カ〕すぐれてよい、めでたい、うつくしい。
〔景 かげ〕けしき、見渡せるありさま。日の光、日影、日の光に照らされる物の姿かたちのありさま。
〔廩 リン〕くら、こめぐら、穀物倉庫。給料として与えられる米、扶持米。あつまる、あつめる。
〔拏む つか-む〕≒「掴(摑)む」、「攫む」。
【楚々 そそ】清らかで美しい様子、可憐で美しい様子、奥ゆかしく美しい様子。
〔這 シャ〕はう、はいずる、腹ばう、腹ばいになる。この、これ。
〔慄 リツ〕おののく、わななく、おそれや興奮などで身体がふるえる。「戦慄」
〔狗 ク〕イヌ、「犬」、「戌」。
〔蕾 ライ〕つぼみ、花のつぼみ。
〔祁 ケ〕おおきい、盛んな様子。
【工】〔コウ、ク、たくみ、たく-む、わざ〕道具を使い物を上手につくり出す、たくみ、てわざ。物をつくるひと、細工をするひと、職人。(貴石に穴を彫りあける、穴の開いた貴石)
【姦濫 カンラン】よこしまで、みだらなこと。
〔沂 キ〕淵、岸、水ぎわの崖、ほとり
【肉刺 まめ】手や足に出来る水ぶくれで局所的に角質硬化した物の事。外傷性水疱。
〔屹 キツ〕そばだつ、山がそびえ立つ様子、「屹立」。
〔颯 サツ〕はやて、風が巻き起こる様子。きよらかな、きびきびした様子。
〔哢 ル〕さえずる、小鳥などがしきりに鳴く、またその鳴き声。
〔衝く つ-く〕つく、突き当たる。大事なこと、大事なところ、中心、かなめ。
〔毀 キ〕こわす、きずつける、そこなう。人を悪く言う、そしり、そしる。
〔燬 キ〕火の勢いが激しい、やく、焼き尽くす。
【注連 しめ】注連縄の略。領有、領域を示したり出入り禁止するための標識。
〔芙 フ〕芙蓉、蓮の古名。
〔狡 コウ〕わるがしこい、ずるい。
〔哈 コウ〕すう、すする。のむ。たべる。(魚が口を開閉する様子)。
〔捫 モン〕なでる、さする、手探りする。とる、持つ。ひねる、ひねりつぶす。
【汪溢 オウイツ】あふれるほどに盛んな事。
〔馼 モン〕目が金色でたてがみが赤い白い体毛の馬。
〔哮 コウ〕ほえる、「咆哮」。
〔悶 モン〕もだえる。くるしむ。
〔婀 ア〕たおやか、しなやか、女性の美しい姿、あだ。「婀娜」。
〔恍 コウ〕うっとりする、ぼんやりする。ほのか、かすかなさま。
〔洶く わ-く〕わく、水が湧き出る。さわぐ、どよめく。
【都雅 と-が】みやびやかな事、その様子。上品で洗練された美しさ、その様子。
〔穢 ワイ〕けがれ、けがれる、きたない、わるい。
【辜月 こ-げつ】陰暦11月の異称。
※〔辜 コ〕罪、咎、重罪。はりつけの刑、死刑。そむく。ひとりじめにする。
〔忻 コン〕よろこぶ。
〔怡 イ〕やわらぐ、よろこぶ、たのしむ。
〔滾 コン〕水が湧き出て激しく流れる様子、たぎる、わきたつ。
【疚忌更昂 やまいこうこう】※「病膏肓に入る」。病気が重くなり治る見込みが無くなる事。転じて、ある物事に極度に熱中して手がつけられい程になる事。
〔綣 コン〕 まとわる、まきつく、まとわりつく。ねんごろ。(※糸が巻き付く事を表す字)
〔繆ち あやま-ち〕まとう、からみつく。むすぶ、まじわる、あわせる。(「謬」と通じて)あやまる、まちがえる。たがう、もとる。いつわる。
〔佼 コウ〕ずるい、わるがしこい、うつくしい。
〔們 モン〕ともがら、「─達」、「─等」。
〔閤 コウ〕くぐり戸、大門のそばの小門、特に宮中の小門。御殿。




