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4)薄桃 甘露桃園
「……まいったな」
にわか雨に降られ、慌てて木陰に避難はしたものの傘の用意もなく、暫くは止みそうもない。
「さて、どうしたものか……」
思案にくれていると
「……誰?」
鈴の鳴る様な声と共に幹の反対側から現れたのは………………
【うすもも かんろとうえん】
木の陰で 密か摘蕾 水密桃
色香も淡き 雨透桃の
唆愡いに惑い 迂擦腿に
撫でて裾懊丘 生す萌毛は
芯芽立匂いて 飢吸股の
溶けては開く 初素若門を
紅具裡押し入り 打据悶猛と
臼百泌射て
華散熟子燃盛
薄桃の 花は開きて 固き実も
熟れて愛好燃盛 姦弄僮艶
「ふふっ、わたしがクラスで……ううん、学年で1番だよ」
雨上がりの空の下、誇らしげに笑った。