39)くらのなか まくらえ
「今日は何して遊ぶ?川に行く?それとも──」
「今日はね……ふふっ♪コッチ来て!」
【蔵之中 間蔵会】
蔵の暗がり 薄明かり
引く手の熱き 掌
小活発振りて 返り見る
笑みの瞳は あやしくも
惷嘉錦絵 いにしえの
カビの臭いも あから様
身を寄せ見入り 魅の火点立
赤靦て汗輝られ 実炒られて
濡れた声音で すごいでしょ
和拈筒怩技利 あついわね
手捕り早良瀬 わたしのも
目を見つ誘う してみよか
招る間蔵会 ままごとは
しおミソ計り 麩田御露汁
雅栗和いの 辛味合い
蔵の間口隈 稚戯りあい
間蔵会を招て飯事謀
卸し富橦筆蔵の間口隈
まくらえをまねてままごとはかりごと
おろしふとふでくらのまぐわい
幕羅衣を巻ねて交漫娯遂初花裡醐塗
牡蝋脂沸騰噴出駈溂の縵求夥怡
▼作中作【ひなかもうきよぶね】▼
○鄙の鴨川弄し来は浮世船
○深山から吊り橋松葉崩しては
○百閉の時雨激しく茶臼挽く
○駒駆けて鵯越えて押し車
○浮世船そぞろ沈々鴨の雛
▲さくちゅうさく【鄙賀茂浮世船】▲
棹差すも立てる飛沫の収まらず
始終波津汀に挑む船頭
さおさすもたてるしぶきのおさまらず
しじゅうはってにいどむせんどう
狭奥挿擂悶達天る至福熹の小歳未楽寿
四十八手に色道睦染僮
「つかれたぁ〜〜〜。でも、すごく楽しかった♪…………ぜんぶは出来なかったね…………」
「うふふ♪わたしも♡…………それじゃあさ──」
育良の仲惷嘉甘奏秘に疲面紅照
愉弾き律元満嬌の連通僖を
【倶楽応仲 交組婪悦】
〔惷 シュン〕おろか、頭の働きがにぶい。うごめく、みだれる。
〔靦 テン〕恥知らず、恥知らずな顔、厚かましい顔。恥じる、面はゆい。
〔拈 デン〕ひねる、つまむ、つまみ持つ、持つ。
〔怩 ニ〕はじる、はじらう、はじいる。
〔唆 サ〕そそのか-す。欲望を刺激して事をおこなわせる、悪い事を教えておこなわせる。
〔嗾 ソウ〕けしか-ける。声を掛けて勢い付かせて向かわせる。おだてたりして自分に都合の良いように動かす。
〔軆 テイ〕からだ、体。
〔彌 ミ〕広く行きわたる、あまねく。いよいよ、ますます、よりいっそう。
〔懣 マン〕もだえる。なやみ苦しむ。
〔隈 ワイ〕山や川の曲がり込んだ所。奥まった所、すみ。濃い色合いと薄い色合いの接する所。目の周りの黒ずみ、化粧。
〔謀 はかりごと〕上手くいく様に前もって方法手段を考える。計略、もくろみ。
〔卸す おろ-す〕下ろす、高い位置にある物を低い位置に移動させる。しまってある物を取り出す。商品を問屋が小売商に売り渡す。
〔羅 ラ〕薄衣の織物、薄物。
〔橦 トウ〕はたざお。帳の柱。突く。
〔裡 リ〕裏側、物の内側。
〔醐 ゴ〕牛や羊の乳から精製したバターの類。
〔蝋 ロウ〕融点の高い油脂状の物質、ワックス。
〔溂 ラツ〕元気の良い様子、はつらつ、溌溂。
〔縵 マン〕無地の絹、むじぎぬ。ゆるい、ゆるやか。連れ弾き、合奏。かずら、蔓性の植物の総称、葛。
〔夥 ワ〕数がおおい、おびただしい。なかま。
〔怡 イ〕よろこび、よろこぶ。たのしみ、たのしむ。
〔鄙 ヒナ〕いなか、田舎。
〔雛 ヒナ〕幼い鳥。おさない、1人前では無い者。
〔擂る す-る〕こする。こすって細かくくだく。すりばち、いしうす等で細かくくだく。
〔悶 モン〕もだえる。おもいなやむ。もだえくるしむ。
〔熹 キ〕よろこぶ。火が激しくおこる。火であぶる。かすかな光。
〔僮 ドウ〕無知なもの、おろかもの。しもべ。召使い。
〔愉 ユ〕たのしい、たのしむ。
〔僖 キ〕よろこぶ、たのしむ、たのしみ。
〔婪 ラン〕むさぼる、際限なく欲しがる。




