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思懋涅丹  作者: 漉緒
34/57

34)小宮参りお茶壺道中


【こみやまいりおちゃつぼどうちゅう】




椿事(ちんじ)叢々(むらむら)

鎮守(ちんじゅ)(もり)

朱塗(しゅぬ)靄々(あいあい)

()鳥居(とりい)





 「……(まだ来ないなぁ)……(ああ、もぉ、待ち切れないよぉ)」


 「ゴメン! お待たせっ!」




 「もぉっ! ……逢いたかった」


 「オレも……」




 「さ、はやくっ! ねっ!」


 「おぅ! ガッテンだ!」





呼ばれても行かぬと昼に呼ばうなら 

行く幾度なく逢瀬目合い


よばれてもいかぬとひるによばうなら

いくいくどなくおうせまぐわい





⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩





ずいずい(蕊隧) ずっころば(擂抉弄奔)


ごまみそ(娯交密組) ずい(寿色)



ちゃつぼ(魑焚壺)におわ(匂洶)れて とっぴんしゃ(凸品赭)


ぬけたら(濡華湛蘭) どんどこしょ(呑怒固薯)



たわら(垂涌爛)ねずみ(粘酢蜜)が ()()って ちゅう(珍結埋)


ちゅう(馳揺打) ちゅう(沈愉浮) ちゅう(乳油射)       



おっとさ(乙桃咲)んが ()んで()


おっかさ(大柄挿)んが ()んで()


いきっこなしよ(勢突熟締善)





⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩





()きつ(もど)りつ

(おく)()小宮(こみや)

子孳利(こじり)木標(こじる)

()()けて





⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩





なんべんやって(男勉躍通天)も とっぴんしゃ(熔津嬪瀉)


やめたら(野馬太良) どんどこしょ(貪洞紅沮)



こたつのこねこ(誇反角捏捻抉)が ころん(好乱)で にゃあ(怩弥婀) 


にゃあ(肉矢荒) にゃあ(丹谷煽) にゃあ(煮薬浴) 



とだな(吐出内)ねずみ(熱樹漿)


それきい(卒烈嬉色)たまげ(達萬激)


こしぬかした(哮獅温燗失絶)



いど(淫蘯)まわ(交和)りで おちゃわんかいた(燠痴病沸蒸夥逝耽)


だぁ〜れ(堕愛恋)





⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩⛩





よばれればひるにもよばうひでるなか

よがりいくどもいくといいいく


夜脹れれば昼にも酔這う日照る中

寄雁往く渡も生く途唯々逝く





()まず延々(えんえん)

(しの)()時雨(しぐれ)

()けて(くれ)()

鎮守社(ちんじゅもり)





 「……(すご)かったな。もぉ(けむり)()ねぇよ」


 「やだっ! ……もぉ。」




 「へへへ……さ、(かえ)ろっか」


 「ふふふ……うん!」





【椿事 ちんじ】珍しい出来事。思いがけない出来事。


【叢々 そうそう・むらむら】草が生い茂っている様子。草が斑に生えている様子。


【靄々 あいあい】雲や靄が集まりたなびく様子。和やかな気が満ちている様子、藹藹。


〔蕊 ズイ〕しべ、雌しべ、雄しべ。ヒモや房の端につける飾り。


〔隧 ズイ〕道、地中へ続く道。墓の道。


〔焚 や-く〕火をもやす。火でもやす。


〔洶 わ-く〕水がわき出る。さわぐ、どよめく。


〔赭 シャ〕赤褐色。赤土色。赤茶色。


〔湛 タン〕たたえ-る。水が満ちている。厚い、豊か。ふける、おぼれる。沈む。


〔洶く わ-く〕水がわきでる。さわぐ、どよめく。


〔薯 ショ〕イモ(芋・藷)。


〔涌 わ-く〕底の方から表面に現れふきだす。


〔爛 ラン〕ただれる、くさる、にくずれる。うれすぎる、まっさかり。あざやか、はなやか、かがやく。


〔窈 ヨウ〕おくぶかい、かすかな、ひそかな。おくゆかしい、しとやか、あでやか。


〔妄 モウ〕つつしむところがない、せつどがない。むやみにする、みだりに。


〔搓 よ-る〕よる、よじる。ねじり合わせる。(両手で)もむ、こする、こすりあわせる、すりもむ。


〔嬪 ヒン〕女性の美称、ひめ。後宮の妃妾ヒショウ・ハイショウの位階。


〔瀉 シャ〕水が流れ落ちる、そそぐ。吐く、腹が下る。


〔沮 ショ〕はばむ、ふせぐ、さまたげる。くじける、ひるむ。澤、湿地。もれる、もらす。


〔怩 ニ〕はじる、はじらう、はじ入る様子。


〔弥 ヤ〕ひろくゆきわたる、あまねく。いよいよ、ますます。


〔漿 ミ〕液、汁。どろりとした液体。おもゆ。


〔萬 マン〕(≒万)よろず。


〔哮 コウ〕たける、おおごえで叫びわめく。


〔獅 シ〕獅子、シシ、ライオン。


〔蘯 トウ〕ゆれうごく、ゆらぐ。しまりなく、わがまま。とろける。


〔燠 オウ〕赤くおこった炭火。


〔夥 カ〕非常に盛ん、賑やかに繁盛している。数か多い。


〔耽 タン〕度をすごしてたのしむ、むちゅうになる。


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― 新着の感想 ―
[一言] >「……凄すごかったな。もぉ煙も出でねぇよ」  確かに何度も鳥居参りに行けば、白い煙も立たないでしょう。。。  信心深いのも若さゆえでしょうかね。。。。
[一言] ぷはぁぁぁああっ……! すごいお楽しみっぷりが伝わってきました……! 御馳走さまです!
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