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思懋涅丹  作者: 漉緒
25/57

25)ねやのたしなみ


寧夜の立し波




 ──夜中に目が覚める。海鳴りに呼ばれた様な気がして海岸に赴く。潮の香りを楽しみつつ波打ち際を散歩すれば、裾を濡らしてしまった。




海鳴りに

 呼ばれ漣

    岩浜の

     裾も湿らす

       潮の匂いに



うみなりに

  よばれさざなみ

      いわはまの

        すそもしめらす

           しおのにおいに



熟魅業に

 欲張れ擦々撫惠

     慰和恥増の

       吸咀揉痴酩乱す

           芯奥の煮及に






 ──上げ潮に波が高まってくる。珊瑚の欠片が打ち寄せる波濤に翻弄されているのが見てとれる。美しくも愛しい。



立し波の

 寄せて返して

     粒珊瑚

      大潮喚起

        波打瑞輝の



たしなみの

  よせてかえして

      つぶさんご

        おおしおかんき

           なみだずいきの



達舌舐蜜の

 善盛て感悦して

     突噴潺醐

       雄追雌応歓喜

          褻魅娜随喜の






 ──岩を打ち割る様な激しさに魅入られ酔いしれていれば夜明けを迎える。



荒潮の

 穿つ怒濤の

    高波に

     岩戸の開き

       朝焼けの旭



あらしおの

  うがつどとうの

      たかなみに

        いわとのひらき

           あさやけのあさ



汗溂し牡の

 優伽突撞蕩の

    昂内深に

     逝喚跳の泌乱嬉

        充炸燬快の熱射






閨の多湿娜美




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