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思懋涅丹  作者: 漉緒
19/57

19)こちょうのゆめ


 湯治の旅先での事。ゆったりと寛いでいると、不意に気配のして──




【糊寵の誘酩】




旅行(たびゆ)湯気場(ゆけば)

照絮(しょうじょ)竪菓味(かたかみ) 

()()けも楚々(そそ)

黒揚羽(くろあげは)



朱輝(しゅき)溶沸(よわ)せて

誘辺(ゆあた)揚羽(あげは)

(めく)丘谷(おかたに)

(もり)(おく)



揚羽(あげは)川岸(かがん)

(しめ)(せせらぎ)

湿(しめ)して()かす

花彼岸(はなひがん)



()いて(おど)るは

香魅(かみ)黒揚羽(くろあげは)

()ちて(ひら)くは

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)



白樹(しろき)葉朶(はだ)()

匂艶(こえ)揚羽(あげは)()

曼珠(まんじゅ)()らして

流渦(なか)()





(ちょう)()い (はな)()かせる 谷湧蒸(たわむ)れに

湯迷(ゆめ)姫琴(ひめごと) 嬉媚(あそび)千乱急(ちらせ)





とらえ(塗爛悦)ちょう()

はな(破納)()かせ(覚醒)れば

()()()()

はなさかせ(放盛精)




ひがん(卑含)はな(恥舐)

みつ()()()てて

まんじゅ(満深結)からまり(咥螺摩裡)

あげはちょう(荒激溌稚妖)




【娘酊の愉鳴】




「……ねぇ、もっと」



 ──釣られ籠められたのは果たして…………いや、いまはただゆめのまにまに







〔絮 ジョ〕カイコまゆを水にひたして裂いて作った綿。真綿。→柳の花や雪片のたとえ。


〔潺 セン〕せせらぎ。水がさらさらと流れる様、その音。


〔朶 ダ〕枝、花のついた枝。枝垂れる(しだれる)、花や実が沢山ついて垂れ下がる。垂れ下がっている物、状態。


〔漲 チョウ〕みなぎる。水の勢いが盛んになって満ち溢れる。溢れんばかりに満ちる。


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