表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思懋涅丹  作者: 漉緒
18/57

18)みここす さおとめ




【巫蠱す 竿乙女】




青児芳姿(あおによし) (なら)(おぼ)えし 巫蠱(みここ)すを

禮舞拝神(らいぶはいしん) 成始(なるし)竿乙女(さおとめ)



 ──古都で修行した歳若く美しい巫女の神事奉納舞踊の初披露。





赤根挿(あかねさ)す 日祝(ひわ)旋珠鈴(せんずり) 典雅(てんが)にて

祈祷(きとう)(げき)し 沁御供(しごく)竿乙女(さおとめ)



 ──頬を染めて祭器の鈴杖を振るい舞う様子が初々しくも美しい。ゆったりと穏やかに始まった舞踊が段々と速く高まりを増して来る。





血逸振(ちはやぶ)る 映神(うじ)竿乙女(さおとめ) 色沸奔(いわばし)

達憙(たき)益垣(ますかき) 叫嵐(きょうらん)娑勢(しゃせい)


  ──盛んに燃え立つ篝火に囲まれた結界の内で激しさをましてゆく神事舞踊は最高潮を迎える。吹き荒れる嵐の如き激しい舞踊である。





(あや)悦魅(えみ) 酔弛(よだ)色蕩(いと)()く 粘溌種満(ぬばたま)の 

愉面(ゆめ)羽化(うか)()て 献社(けんじゃ)詣人(もうど)



 ──奉納舞踊を終えてぐったりとした様子の巫女。深く酔いに浸っている様な何とも艶かしい表情をみせるのだった。






〔枕詞 あをによし〕→奈良。


〔枕詞 あかねさす〕→日、昼、紫、照る。「茜差す」。


〔枕詞 ちはやぶる〕かみ宇治うじ。「千早人 ちはやびと」、「千早氏 ちはやうじ(千早人の氏)」。


〔枕詞 いわばしる〕垂水たるみ、滝。→石、岩の上や間を水が激しく流れている様子。


〔枕詞 ぬばたまの〕黒、髪、夜、月、夕べ、夢、 等等。




〔熹 キ〕あぶる、焼く。盛ん、火が盛んにおこる。よろこぶ、よろこび。ほのかな光。


〔娑 シャ〕衣がひるがえる様子。衣の裾をゆらゆらたなびかせて舞う様子。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 改稿お疲れ様ですー! いやはや、いやはや。 ギャップ萌がすごくて…… 「はぁーん♡」 となりましたです。お見事。 そういえば、あちらも少女漫画ではよく 「神聖な儀式」 なんて言われております…
[良い点] おっと、ついに小説家デビューですか!? 楽しみにしてます♪
[一言] え?小説の予定だったんでしょうか? それは気になります……! 次回、何かのるの楽しみにしております!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ