15)よせいのえがき
【句碑 くひ】俳句を彫り付けた碑。
【辺沮】小さな狭い湿地。(※作者造語)
【花片栗】カタクリの花。ユリ科の多年草。「堅香子」とも。
儚くも 小慕香蕾の 乱れ菊
【余生の絵描き】
端貯めの 劣目の庵
愛しくて 沁張り慰み
筆遣う 句碑や荒屋
湧き辺沮を 連々難く
遅々経ちて 我目の啓く
潤いの 花片栗は
鮮々と 烏鳴き声
心地よく 意気り流々
昂ぶりを 識り聴く儘に
指し遣れば 島離の空身
絵通楽写生
あくせくと小銭を貯めて、寂れた土地にみすぼらしい小屋を購った。
かつては観光地としてそれなりに持て囃され賑わっていたが、今となってはすっかり荒れ果てている。それでも、そこそこかしこに往年の名残りが見てとれる。
そんな有り様が我が身と重なる様に思えて、何とも言い様の無い愛しさが込み上げて来るのだった。
ふとした気まぐれに絵筆を取って風景を描いてみる。絵画の描き方などまともに習った事もなく、聞きかじりの知識で試行錯誤を繰り返しながら描き続けるうちに段々と要領が掴めて来て、自己満足とは言え、納得の行く出来栄えの絵を描ける様になって来た。
楽しく充実した余生の日々を送る私である。
苛みの 責めに憂き越し 天が下
知るは容れよと 示す至理喜久
世の中から責め苛まれている様に思えて憂鬱な日々を過ごしていたが、見聞を広め理解が深まるにつれ、自分自身も世の中も受け入れられる様になった。
知り聞くを 啓き貶巡の 懊苦不覚
歓喜幸光 謝生照天
頑なさ故に悩み苦しんでいたが素直に在りの儘を受け容れる生き方を知って苦しみから解放された。光明に照らされる様な、拡がり深まる歓びに満たされる人生に感謝するのだった。
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植えし田に 鷽鳴く馬琴 心音は
揖斐津にも今日 遺損なるとも
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──故あって訳有りの小娘と暮らす事になった。さして見栄えが好い訳でなく可愛気もないが、妙な雰囲気を醸し出しているのが何処か気に掛かる。
戯れに強いてかまいからかってみれば意外にも随分とよい応えをしてくれる。驚きと共に嬉しくなってしまい、つい熱心になってしまうのだった。
すっかり出来上がっていると言っても良いのだが踏ん切りがつかないのは、いったい何にこだわっているのか? 何を惜しんでいるか? 自分でもよく分からない。
「何れそのうち」、「その気になったら何時でも」などと益体もなく思いながら、今日も心ゆくまま存分に…………
婢の 穏当女の囲居り
忌遂執狂て 縛り嬲繰唆道
触拈遣う 頸や肋や
腋臍を 熟々感多躯
稚痴起ちて 猥澪雌の卑楽
得る堕逝の 恥泣固紅立は
濺尖と 枯らす啼き声
胯固血欲 威起驪隆々
昂ぶりを 子莉菊儘に
浅深邪戾ば 締交輪の嘩乱満
炎貫具煮勢
細嬲魅の 逝酩に浮き腰 汗混が滴汁は
易連よと湿す子莉菊
子莉菊を 開き堕熔雌の 小躯腑苛杭
喚戯淆媾 炙盛猖唸
【縒腥の悦餓鬼】
破瓜無くも 起勃込突冒深の 魅堕劣喜孔




