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思懋涅丹  作者: 漉緒
15/57

15)よせいのえがき


【句碑 くひ】俳句を彫り付けた碑。


【辺沮】小さな狭い湿地。(※作者造語)


【花片栗】カタクリの花。ユリ科の多年草。「堅香子カタカコ」とも。





儚くも 小慕香蕾の 乱れ菊




【余生の絵描き】



端貯(はした)めの  劣目(おとめ)(いおり) 

(いと)しくて  沁張(しば)(なぐさ)み 

(ふで)(つか)う   句碑(くび)荒屋(あばらや) 

()辺沮(へそ)を 連々(つらつら)(かた)

遅々(ちち)()ちて (われ)()(ひら)

(うるお)いの   花片栗(はなかたくり)は 

鮮々(せんせん)と   (からす)()(ごえ)

心地(ここち)よく  意気(いき)流々(りゅうりゅう)

(たか)ぶりを  ()()(まま)に 

()()れば 島離(しまり)空身(からみ)

絵通楽(えつらく)写生(しゃせい)




 あくせくと小銭を貯めて、寂れた土地にみすぼらしい小屋を購った。


 かつては観光地としてそれなりに持て囃され賑わっていたが、今となってはすっかり荒れ果てている。それでも、そこそこかしこに往年の名残りが見てとれる。


 そんな有り様が我が身と重なる様に思えて、何とも言い様の無い愛しさが込み上げて来るのだった。


 ふとした気まぐれに絵筆を取って風景を描いてみる。絵画の描き方などまともに習った事もなく、聞きかじりの知識で試行錯誤を繰り返しながら描き続けるうちに段々と要領が掴めて来て、自己満足とは言え、納得の行く出来栄えの絵を描ける様になって来た。


 楽しく充実した余生の日々を送る私である。





(さいな)みの ()めに()()し (あま)(した)

()るは()れよと (しめ)至理喜久(しりきく)



 世の中から責め苛まれている様に思えて憂鬱な日々を過ごしていたが、見聞を広め理解が深まるにつれ、自分自身も世の中も受け入れられる様になった。





()()くを (ひら)貶巡(おとめ)の 懊苦(おく)不覚(ふかく)

歓喜(かんぎ)幸光(こうこう) 謝生(しゃせい)照天(しょうてん)   



 頑なさ故に悩み苦しんでいたが素直に在りの儘を受け容れる生き方を知って苦しみから解放された。光明に照らされる様な、拡がり深まる歓びに満たされる人生に感謝するのだった。






◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐◐






()えし()に (うそ)()馬琴(まこと) 心音(こころね)

揖斐津(いびつ)にも今日(きょう) 遺損(いぞん)なるとも






◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑◑






 ──故あって訳有りの小娘と暮らす事になった。さして見栄えが好い訳でなく可愛気もないが、妙な雰囲気を醸し出しているのが何処か気に掛かる。


 戯れに強いてかまいからかってみれば意外にも随分とよい応えをしてくれる。驚きと共に嬉しくなってしまい、つい熱心になってしまうのだった。


 すっかり出来上がっていると言っても良いのだが踏ん切りがつかないのは、いったい何にこだわっているのか? 何を惜しんでいるか? 自分でもよく分からない。


 「何れそのうち」、「その気になったら何時でも」などと益体もなく思いながら、今日も心ゆくまま存分に…………




(はしため)の   穏当女(おとめ)囲居(いお)り 

忌遂執狂(いとしく)て (しば)嬲繰唆道(なぐさみ) 

触拈(ふで)(つか)う  (くび)(あばら)や 

(わき)(へそ)を   熟々(つらつら)感多躯(かたく)

稚痴(ちち)()ちて 猥澪雌(われめ)卑楽(ひらく)

()堕逝(おい)の 恥泣(はな)固紅立(かたくり)は 

濺尖(せんせん)と   ()らす()(ごえ)

胯固(ここ)血欲(ちよく)  威起驪(いきり)隆々(りゅうりゅう)

(たか)ぶりを  子莉菊(しりきく)(まま)に 

浅深邪戾(さしやれ)ば 締交輪(しまり)嘩乱満(からみ)

炎貫具(えつらく)煮勢(しゃせい)



細嬲魅(さいなみ)の 逝酩(せめ)()(こし) 汗混(あま)(した)(しる)

()()よと湿(しめ)子莉菊(しりきく)



子莉菊(しりきく)を (ひら)堕熔雌(おとめ)の 小躯腑苛杭(おくふかく)

喚戯(かんぎ)淆媾(こうこう) 炙盛(しゃせい)猖唸(しょうてん)



【縒腥の悦餓鬼】




破瓜無くも 起勃込突冒深の 魅堕劣喜孔








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― 新着の感想 ―
[良い点] お邪魔します! こんな高度な技術と表現方法があったのかとビックリです。 [一言] 素晴らしいのひと言。何が素晴らしいかは不勉強で言葉が出なくて申せませんが(笑)。色々と勉強になります。 と…
[一言] しみじみとした風情の中に、荒れ狂うマニアックさ…… 今回も うきゃぁぁぁぁぁあ!(/ω\) となりました!
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