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パパムイは楽観主義とバルバル達

そろそろストックが無くなる。


「そう言えば、どこで見かけたの?」

「そーだなぁ?昼過ぎか?突然現れてな」


「だから何処で?」

「場所か?それなら彼処だ」


パパムイが森の先だと指差す。


「じゃぁ、言ってこようかな」

「ポンピカ。もう遅いから明日でもいいぜ。どうやら俺の考え過ぎみたいだからな」


何を言ってるんだ?


「ポンピカ。そんなに首をかしげるなよ。俺は頭が足りないからなっ。彼処だと言っても今居るとは限らないぞ?だってセイレイサンは突然現れたからな。」


的を得た答えが帰ってこない。

さて・・・でも言わんとする所はわかった。

要するにパパムイの「気のせいかもしれないから明日でも良いぜ」、

ってことだろう。


「わかったよ。明日行って、言う事聞かせるよ。今日は結構動いたんだ」

「そうか。ってかさ?この土を乗せる作業ってのがとにかく辛いんだが・・・どうにかならないか?この間ギュギュパニに無理を言われて手伝ったが、とんでもなく土が重いんだ。ビックリしたぜ」


なるほど。

運搬に何か使えないか?

考えてみるのも良いかもしれないな。


「パパムイ。あのね?土を運搬するときは、もうソリもイチリンシャも使わないわよ?」


ギギリカ?

ネコをもう使わないって・・・他の運搬方法があるの?

僕聞いてないよ?


「そうなのか?どんなやつだ?」

「彼処でパレンケがやってるやつ見てみると良いわ」


ギギリカが埋め立てられた埋立地の奥の方で、

パレンケが何やら乗り物に乗っている姿が見受けられる。

何か乗り物って言うけど、はっきりと分かるけどね。


っていうかさ?

あれ、荷押し車ってやつだよね?

TVの時代劇で見たことあるやつ。

確かにベベビドに車輪の構造を教えたけどさぁ?

なんで作っちゃうの?

ここオフロードだよ?


あんなんじゃガタガタいうだろうになぁ。


「へー。あれ?ああやって長い所を引くと後ろに荷台が付いてくるのか・・・すげーな?」

「そうでしょ?アレもポンピカが考えたやつらしいわよ」


「へー。やっぱりポンピカは違うなぁwすげーなw」


いや、考えたの僕って事に成ってるけど、

それをベベビドにちょろっと伝えただけだよ?

僅かな情報で工夫して作っちゃうベベビドのほうが凄いだろ。


・・・ちょっと待てよ・・・。

パレンケが歩いてる場所・・・石畳になってる・・・。

まぁ、土に平たい石を埋め込んで使う形だけど、

あれなら大きくボコボコしないな。

それに荷車に手が加わってる。

木のバネが取り付いてる。


そこまでやるかフツぅ・・・。

あれ、金具がないとダメだったような気がするんだけどなぁ?

っていうかあんなに口径の大きな車輪をよく短時間で作るね?


ベベビドって、一日で何台作れるの?


・・・あれ?これってさ?

ベベビド一匹で木工足りるんじゃない?

もうほかの誰かを弟子とかしたとしても、

足手まといに成るかもしれないなぁ。


「パパムイ。それから新しい荷押しの車ももうすぐ出来るらしいわよ」

「新しい?どんなやつだ?」


どんなやつ?

もっと知りたい!


「何でも彼処の荷物を置く場所が箱に成ってるらしいわよ。それで、シャリンが大きくなってるんだってさっ。ついでに石畳の上で移動する用のジンリキシャってやつも作ってるみたい。運搬が更に楽になるみたいよ」

「へぇ〜!それもポンピカの?」


「そうらしいわ」

「ポンピカぁ!すげーなぁー!」


だからさぁ。

ベベビドはなんで僕が言ったもの全部作る気なんだ?

大丈夫か?

そんなに一匹で先行しても皆がついていけないぞ?


「でも、後はケルケオが使えるように成ればもっと楽になるって言ってたわよ」

「ケルケオ?なんでケルケオを使うんだ?何に?」


「彼処の引っ張ってる所をケルケオで代用するんだってさっ」

「・・・!それって、俺らが引かなくていいってことか?」


「そういうことらしいわよ」

「そ・・・そりゃーすげーなぁ・・・」


パパムイが本気で驚いている。

まぁ分かるけどね?

でも、それは、ケルケオが頑張ってるんだからね?


「そーかぁー。早くケルケオが育ってくれると嬉しいなぁ」

「そうね。あたしもこうやって色々手伝うより、皆にアレコレ言ってる方が楽だしねw」


「はははwギギリカ!そりゃ笑う所じゃねーよw」

「パパムイだって、狩りで使えそうとか思ってるんでしょ?」


「そーだな。大きい獲物をもっと積極的に狩る事が出来るって事だしなぁ・・・」


なんだかんだいって、

パパムイって色々考えてるよねぇ。

でもなんで発言が空気読まなかったり、

考えなしだったりするんだろう?

記憶力が足りないのかなぁ?


「まぁ、いいんじゃないかな?」

「ポンピカ?適当に言わないでよね」

「そうだぞ!俺だって傷つく事くらい有るんだと思うんだ!」


パパムイ。

そこは断言しようぜ。

だけど、なんだろう?

的を得ていない。

まぁ良いか。

パパムイだしな。


「悪い悪い。ってか、それにしても随分ここも作業進んだね」

「なんだか、改めてポンピカに言われると、そんな気もしてきたわね」

「ん〜?そうか?俺はそんな気がしないんだけどなぁ・・・毎回手伝う時景色が違うからなw」


景色違うくらい変化があるってこと?

それとんでもなくない?


ってか、少し怖くなってきたなぁ。

なんでこんなに作業が早かったり物を作るのが早かったり色々変だぞ?

最近だよなぁ・・・何か変わった事でもしたかな?


幾らスキクが勤勉で労働にストレスを感じないと言ってもここまでだと、

かなり怪しいレベルだ。


う〜ん。

誰かに聞いてもわからないだろうか?

族長辺りに聞いてみるか・・・もしくは精霊さんあたりだな。

精霊さんはなんだかんだ言って、知識と経験は豊富だしね。


明日、苦情申し立てるついでに聞いとこうか。



さて、皆で戻ってご飯でも食べようか。

そんで寝ちゃおう。


きょうは一日結構動いたしね。


其の場に居る皆に声をかけて、今日はご飯食べて寝ちゃおうと言う。

皆は素直に仕事を切り上げて、食事に付いた。


夕食の最中ヴァレヴァレの連中は何故か僕の側に居る。

バルバルとベネネズくらいは、ギュギュパニの方へ行けばいいと思うんだけどね。


まぁ、そうしたいなら止はしないけどね。


「ねぇ?ウウダギ」

「ん?」


モグモグツルンッと茹でた魚の切り身を頬張るウウダギに声をかけた。

まぁ、僕の膝の上で食べてるから話やすいんだよね。


「なんでヴァルヴァルだった連中は、僕の側で食事するんだろう?」

「? ポンピカの所が安全」


安全?

この集落何処にいても安全だろうに・・・。

むしろギュギュパニの所のが安らぐだろう?

僕より強いんだしね。


何から見を守ろうとしてる?

はて?


「なにが怖くて僕の所に居るんだろう?」

「怖くない。怖いは、ポンピカが怖い」


僕は怖くない。

優しいよ?


でもウウダギが言ってる意味が分からなくもない。

要は、一番怖い相手の膝下に居ればご機嫌を伺えて、攻撃されない。

まぁ、生存本能のようなものだろう。

でも僕としては迷惑この上ない。


そう思って、振り返る。

そこにはヒュルル筆頭にオルギュスやセルセルに、

イヂジンとバルバルにベネネズと固まっている。


「ねぇ。 皆好きにして良いんだよ? なにも僕の近くでなくても良いんだけど・・・」


そこまで言うと、ヒュルルの顔が曇り、驚いた様子に成る。

其の様子からすると僕の発言は随分突拍子がないのかもしれない。


ウウダギに目を向ける。

気にしないで、食事をしているところだったけど、

僕の視線を感じたようで、こっちを向く。


「ん?」

「ウウダギ。僕は変な事を言ったかな?」


「言ってない。でも、皆困る」


・・・どういう意味?


「ウウダギ。僕はあまりスキクの常識が無いんだ。何を言っているか見当がつかないんだ」


そこまで言うとウウダギが少し考えた様子に成った後、

こんな事を言った。


「ポンピカが、一番。 だからポンピカの物。 ポンピカが要らないは、困る」


・・・所有の話し?

えっ?あれって、族長預かりで集落の一員に成りましたって話で落ち着いたんじゃ?


再度ヴァルヴァル達に向き直る。


「皆もしかして、僕の所有と成ってるの?」


其の問に対して、即座にヴァルヴァル達が肯定した。

どうやら僕預かりなようだ。


「でもさ?族長預かりになったんじゃないの?」


そこまで言うと、ヒュルルが発言し始める。


「この集落の一員には成りました。でも、俺等はポンピカの所有だ」


なるほど、だけど奴隷じゃないんだ。

そんな所有がどうのこうのとkじゃ言わなくていいだろう?

むしろもっと自由にやってほしい。


だけど、どうやらこの流れで、「じゃぁ、所有者の命令で開放する」とか言ってしまうと・・・、

きっと、後でヒュルルたちが困るんじゃないか?


「ねぇ。ヒュルル達は自由に生きたくないの?」

「・・・そうですね。コレでも自由にしているんです」


コレが自由?

自分を所有物として扱われるのが自由ってことか?

それは無いだろう?


「所有物で有ることが自由なの?」

「はい。それを選択したのは俺達です」


・・・選択の自由・・・。

こまったなぁ。


「そうかぁ。・・・じゃぁ、もしヒュルル達がこの後好きな事ができてやりたく成った時に、僕の所有が邪魔だった場合言ってくれれば開放するよ。」

「・・・はい」


なんかヒュルルの声のトーンが低かったなぁ。

落ち込んでる?

僕、なんか言っちゃいけない事言ったかな?


「ねぇ。ウウダギはどう思う?」

「別に良い。僕は困らない」


そうかぁ。

ウウダギは自分に関係ないとか興味ないと、

どうでも良くなるからねぇ。


まぁいいか。

ヒュルル達のテンションが少し下がった感は有るけど大丈夫だろう。


さて・・・そう言えば、ギュギュパニとここ最近何も話していない気がする。

採掘場もどうなってるか知らない。


でも後ろにはここ最近ずっと僕らと行動を完全に別として動いている二匹が居るわけだ。


・・・聞いてみるか。


「・・・バルバルだっけ?最近ギュギュパニのところに居るんだよね?」

「・・・ああ」


「ギュギュパニの調子どう?何処かおかしかったりしない?」

「いや・・・特に気に成る点は無いと思うが?」


んん?

バルバルってこんな会話の仕方するやつだっけか?

敵対してる時と随分感じが違う。


「バルバルだよね?」

「・・・? ああ、そうだと言ったはずだが・・・」


間違いない。

随分冷静な感じを受けるスキクだったのか・・・。

あのときは随分感情が表に出ていたのかもしれない。


「そうかぁ・・・。採掘場はどんな様子?最近見ていないからなんとも言えなくてね」

「・・・どう・・・と言われても俺はあまり彼処には詳しくない。掘る状況が進んでいるかという話か?」


あれれ?コイツ話せば分かるタイプだった?

なんだか、複雑だな。


「まぁ、そんなところだけど」

「俺が採掘を始める頃に横穴の奥から大量の乾いた砂が出てきてな、それの撤去でかなりの時間を使ったはずだ。あとは、ベネネズと共にギュギュパニの掘っていた横穴とは反対側にそれぞれ一つの穴を掘り始めた。現在では、相当な深さを掘った気がする。」


そうか・・・結構苦労してるんだなぁ。

ってか心なしか体つきがガッチリしてきてる。

ここ数日でそうなっちゃったのかな?

元々持っているポテンシャルは高いのかもしれない。


「そうか・・・でさ?今埋め立てしてる場所へは、誰が石を運んでいる?」

「そんなことも知らなかったのか?あれはベネネズと俺が殆ど運んでいる」


コイツラ・・・使えるんじゃねー?

だって石を運ぶにしても相当苦労してたはず。

パレンケもそれを手伝ってたかもしれない。

なぜパレンケの名が出てくるかと言えば、

アイツは殊の外、一つ所で作業をし続けることをしない。

だから色々と手伝う形でそれぞれの技とまでは行かないが、

かなり専門的な所までやるように成っていると、ギギリカから聞いた。


「パレンケは?手伝ってくれる?」

「パレンケか。アイツは随分と器用なスキクだ。俺もベネネズも助かっている。それにポンピカの様な考えをするやつだ。俺等が知り得ない知識で作業を補助してくれたりもする」


つまり器用貧乏が貧乏じゃ無くなっちゃった感じか。

強くね?いや、心持ち的な安心感的なところでね。


「結構掘ったって言ってるけど、どれくらい?すり鉢状の場所だろ?」

「ああ。すり鉢状ってやつのはずだ。真ん中が陥没している形だからな」


「今はどんな感じなの?」

「対して、変わっていないはずだ。なんにしても石は固い。だから、掘るにしてもギュギュパニ一匹では限界が有るからな。俺等が補う形で横穴を増やしたが・・・ギュギュパニのようには掘ることが出来ない。コツでもあるのか?」


いや、掘ってる状況が知りたかった。

まぁいい。


「掘るの専門なのはギュギュパニだからそっちと上手くやってよ」

「ああ、わかった。 ・・・ヴァルヴァルに残して来た連中はまだ到着しないか?」


「一ヶ月位はかかるようなこと言ってた。まだ到着はしないだろう」

「そうか・・・わかった」


「そう言えば、掘削してもらっている石灰岩とかは充分に取れそう?」

「セッカイガンか。アレは、ギュギュパニに任せている。というのも俺やベネネズでは見分けがつかないからな。だが、ポンピカが言っている量以上は既に採掘が終わっている様なはなしはしていた。今は、マガの元とか言うのを掘り出している。」


もう規定量終わったの?

どんだけだよ。

ってかヒマだと次の素材をすぐに見つけ出したりしてドンドン供給し始めるのか。


しかし、バルバルは意外に冷静で物を考える体質なんだなぁ。

でも感情が支配すると、理性というか、

そんな感じの部分がさっぱり消えて無くなってしまうようだ。


一通り話を聞いて、採掘場の状況は把握した。

まぁ、多分ベベビドやンダンダ辺りのやっている事と大差ない状況に成っているはずだ。

もし僕が直接見に行ったらビックリしてしまう様な感じだろう。

例えば、バルバルが横穴を掘ったって言ってるけど、

当のスキクが言うとおりならば相当深く掘ってるはず。

そしてギュギュパニはもっと酷い有様なはずだ。

この調子じゃ鉄も銅も銀も・・・もしかしたら金も掘り出して蓄積しているかもしれない。

まぁ有ればだけどね。


製鉄技術を誰かに教えるにしても現状じゃ家を作ってからだろうしなぁ。

・・・でも早めに方法だけは誰かに伝えて試作くらいは作らないといけないよね?


まぁ、製鉄じゃなくてもいいし・・・銅辺りなら割と低い温度で、抽出精製は出来るんだしな。


うん。そうしよう。

取り敢えず鉱石から鉱物を取り出す方法だけは、一通り教え込もう。

誰が適任かなぁ?


鉄に関しては、ギュギュパニが向いている気がするけどでもなぁ・・・。

石の採掘は続けてもらいたい。

そして鉱石の精製にはどうしても日数がかかる。

其の辺りがきっとネックに成るだろう。


う〜ん。なんにしてもヴァルヴァルが合流してから人員を振ったほうが良いかな?

ってか何匹位合流するだろう?


やっぱもう少し開拓の幅を広げたいなぁ。

ベベビド辺りと相談してもう少し伐採を増やしてもらおうかな?

それとも今有る埋立地荷早々に家を作り始めるとか?

それも良いかもしれないな。

後ろの連中は未だに地面で寝ているんだ。

木に登れないからね。


専用で安全な家を作ってあげようか?

そうすればそれに必要な木材が出てくる。

するとベベビドが伐採しやすく成る。

今有る木材だけど、殆どが製材済であり、束になっているんだ。

乾燥とか大丈夫なのかな?

一応ベベビドにはそういう話はしてあるはずだけど・・・。

乾燥には時間がかかるだろ?

其の手間はどうしてるんだ?


はて・・・?

この集落って時間経過が可笑しいのか?


謎が尽きない。


まぁ、良いか。

明日は精霊さんに物申して、それから埋め立て地の作業を手伝おう。

ベベビドも呼んで、建築に参加させるのも良いかもしれないな。


うん。そうしよう。


さて・・・。食事も終わった。

そろそろ寝るか。


「ウウダギ?」

「・・・ん〜?」


「眠い?」

「うん〜」


眠たそうなウウダギ。

最近なんだか寝るのが早くなってるな。

ってか、そう言えば・・・そろそろアノ時期かな?


皆しきりに身体のあちこちをさすったり、掻いたりしてるからね。

と言う僕も少し背中が痒かったりする。

手が届かないからね。

なんとももどかしい。


ウウダギは生まれて初めての体験に成るだろう。

まぁ、慣れないものだね・・・。

そのうち慣れるんだろうか?


ウウダギを抱えて寝床へ登る。

登った頃にはウウダギはぐっすりだ。

いつものようにお腹の上に置いて、仰向けで就寝を取る。


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